1話《第一の人生→第二の人生》
はじめまして!おがくずです。
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とある日の夕方。学生からすると、放課後と呼ばれる時間帯。
住宅街は夕日を反射し、街が赤く輝いている。
多くの人々が行き交う中、ある二人の学生も、家へと歩みを進めていた。
「マジでさ……抜き打ちテストとか本当に勘弁してほしいよ」
ふと、そう呟いた匡近へ、隣を歩いている飛鳥が納得したように頷いて返す。
「ねー。私、テスト結構ヤバいかもしれない……」
横断歩道が青になり、歩き始める飛鳥だが、匡近は考え事をしており気づいていなかった。
匡近が立ち止まっていることに気がついた飛鳥が、振り返って手を振る。
「匡近ー! おいて行っちゃうよー! 早く早く!」
「おう! 今行く」
そう返事して走り出した匡近の表情は、にこやかなものから、すぐに焦燥へと変わった。
居眠りでもしているのか、赤信号にも関わらず減速することなくトラックが直進してくる。
突き進んでくるトラックの進行方向にいるのは、飛鳥であった。
だが飛鳥はそのことに気がついておらず、不思議そうな表情を見せる。
これまでにない速さで駆ける匡近が飛鳥を押し飛ばしたのは、トラックがぶつかる数瞬前だった。
間に合ったという安堵もすぐに、匡近の体に衝撃と浮遊感が襲いかかった。
一瞬で意識が飛んだ匡近だったが、その時点ではそこまでの怪我は無く、不運なことにまだ、生きていたのだった。
止まることを知らないトラックの底に、匡近の背負っていたリュックが引っかかった。
意識のない匡近に抵抗する術はなく、道路にその体が削られてゆく。
全身を襲う痛みに、気絶していた匡近が目を覚ました。
瞬間、匡近は不思議と落ち着いていた。
自身の両手は力が入らないほどに削られ、顔の半分はすでになくなっている。
状況を理解した飛鳥の、涙混じりな悲痛な叫びも、血を引いて走るトラックを見た周囲の人のざわめきも、消える体と、薄れゆく意識と共に遠のいてゆく。
走馬灯のように多くの思い出が匡近の頭に流れ、ふいに匡近の口から声が漏れる。
「ごめ・・・・・・ん・・・な・・・」
匡近の意識はそこで途切れた。
読んでいただきありがとうございました!
時間が限られており、かなり不定期な投稿となってしまいます。
申し訳ない...