番外編 灰色
飛鳥ちゃんのお話です!
楽しんでいってください!
制服を着ているが、学校にはいない。
線香の香りが充満するホールの椅子に座り、ただ俯く。
涙はもう出ない。心に大きな穴が空いたように、考え事すらままならない。
匡近が死んだ。
その事実を知るにはあまりにも早く、認めることができない。
ふと顔を上げ、匡近の写真が目に入ると、走馬灯のように思い出が蘇る。
幼稚園からの知り合いで、家が隣同士とのこともあり、よく一緒に遊んでいた。
なんの偶然か、小中高でクラスが同じく、中学時代には「運命」という言葉がチラつく。
いつも笑っていて、私のくだらない話も楽しそうに聞いてくれる。
だから関係を進めたくなかった。壊したくなかった。
でも、今以上になりたい。
そんな欲が顔を見せて、決心して帰り道の公園で、思い出の公園で言おうと決めた。
そして、匡近が死んだ。
結局は自分の不注意だ。
トラックが引く血の線が、未だに目に焼き付いている。
最後に見た匡近の表情は、焦ったような、必死の表情だった。
学校になんて行きたくない。思い出してしまうから。
でも逆に言えば、もういない匡近を強く思い出せるのはあの公園と学校だけだ。そう思って、線香の香りが移った制服に腕を通す。
いつものテンションで。「いってきます」
いつもは匡近と歩いていた道に、1人分の足音が鳴る。
遠くに響く救急車のサイレンに、少し驚いて落としていた目線を上げると、
視界が、白く染まった。
次に視界が暗転し、空中に浮いたような浮遊感に襲われる。
暗い視界は、自分が目を瞑っている所為だと今更気がついた。
目を開けると、絶景が広がった。
スカイダイビングの経験は無いが、多分このような感覚なのだろう。
落ちる恐怖心を、絶景による感動が上書きする。
ま、怖いものは怖いが。
「きゃあーー!!」
声を上げると、途端に落ちておく感覚が消え、また浮遊感を感じる。
何かに支えられているようなゆったりとした動きで地面に足をつけると、ある人物が目に映る。
その瞬間に、涙が溢れ出した。
「匡近ぁ〜!」
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