番外編 王都までの道のり1
番外編です!
匡近転生後から王都までの期間を書きました!
楽しんでいってください!
「マサチカよ、他の属性についてじゃが、やってみるか?」
「できるならやりたいけど・・・できるもんなの?」
「適性があればできるのじゃ。最上級魔法さえできればその属性のは全部使えるってことじゃからの」
できなかったら一つづつ下げていけば良いとユグドラシルは続ける。
自分の力が具体的に見えることに嬉しさを感じる匡近は、「もちろん!」と頷いた。
「なら詠唱を教えるのじゃ。魔力を動かしてその通りに唱えれば、魔法が出てくるのじゃ」
「? 魔力? なにそれ」
聞き慣れない言葉に首を傾げる匡近。
その様子にユグドラシルも疑問を抱くが、すぐに納得したように説明を始める。
「あぁ、無意識に使っていたのじゃな。ま、あれじゃ。腹に意識を向けて、何か暖かいものを感じたら、それを全身に流してゆくイメージじゃ。初めはなかなか難しいが、補助するか?」
「いや、やってみる」
匡近は意識を集中させる。
肩を通って手先へ、血のように暖かい何かが伝うのを感じた。
「ファイアを使ってみるのじゃ」ユグドラシルからの言葉通りに唱えると、匡近の前に火が灯った。
「できていたの。上出来じゃ」
「おぉー! これが魔力かー!」
興奮を抑えられない様子の匡近。
すべきことはしたと、ユグドラシルは匡近に詠唱を伝える。
「じゃ、『青、蒼、葵。悪しきを祓う青。全てを流す蒼。氷結へと導く絶対零度の葵。畏怖され、崇拝される相反する青。儚く凛々しい、癒しであり刃である青よ、今一つとなり我等が敵、その全てを閉ざし封ぜよ《粛黙する精霊神》』」
詠唱が終わると、匡近の前に小さな水球ができる。
それは爆発的に肥大化すると、段々と鳥の姿を象ってゆく。
匡近は初めて見る魔法に感動するが、ユグドラシルは違っていた。
鳥が出現する。それは本来、この魔法《粛黙する精霊神》ではあり得ないことなのだ。
大津波が発生し、その水に触れたものすべてを凍らせるという魔法のはずであった。
そうこう考えているうちに、鳥は完全な形となり、閉じていた目をゆったりと開く。
「わたしをおこしたのはだれなのだ? あなたなのだ?」
「妾ではない。そんなことより主は、氷神鳥か?」
「そうなのだ、あれ、もしかしてゆぐどらしるなのだ?」
鳥から発せられる声はどこか舌っ足らずな様子で、子供らしさを感じさせた。
知り合いのような口ぶりで話す二人に、匡近は質問する。
「知り合いなの? てかこれって魔法失敗?」
「いやいや、失敗なわけなぞあるか。本来の魔法を超越した妾並の神降ろしじゃ。この様子なら他の属性も適正さえあればできそうじゃな」
ユグドラシルも興奮したように話す。
「次の魔法じゃ」と急かすユグドラシルを見て、氷神鳥と呼ばれた鳥も興味を持ったようだった。
「おもしろそうなのだ。でもこのままじゃ、じゃまになりそうなのだ。むんっ」
そう言うと氷神鳥が、宙で人の姿と成り変わった。
ふんわりと着地すると、ユグドラシルの下へ歩いてくる。
その姿は、まさに子供であった。
小学3年生程の身長に、ぷっくりと柔らかそうな頬。
ただ、頭の後ろに浮かぶ光背が、人間でないと示していた。
おかっぱ頭が、より子供らしさを引き立てる。
座敷わらしのような姿だった。
「? 擬人化ってやつ?」
「そんなもんじゃ。いいから次じゃ次。詠唱は教えた。早う唱えてみ」
「はいよ。『緑、翠、碧。命の芽吹く緑。悪しきを寄せぬ翠。破壊へと導く逆襲の碧。畏怖され、崇拝される相反する緑。守るべきモノを侵す者への罰として、天より出づるは雷神龍。森との盟約に従い、敵を灼き討つ力を我に授けたまえ《激昂する雷神龍》』」
瞬間、空に雷雲が広がる。
その中心から、悠々と龍が降りてきた。
ユグドラシルが横でやはりと頷く。
降りきった龍が口を開けると、予想だにしない言葉が発せられる。
「やほやほー。ウチを呼んだのは誰かなー?」
「この男じゃよ、カケル」
「あれー、ユグちゃんじゃん。どしたのこんなとこで」
厳かな雰囲気に合わない、実に気の抜けたゆったりとした口調に、匡近の力が抜ける。
カケルと呼ばれた龍は、匡近の方を向き、自己紹介した。
「君が呼んだんだね? ウチは神帝御雷神天翔大御神。長いからカケルでいいよー」
読んでいただき、ありがとうございました!
時間がなく、続いてしまう形となってしまい申し訳ございません。
続きもできるだけ早く上げれるように頑張ります!
改善点などあればぜひ!
いいね、☆評価お願いします!




