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聖剣と往く大陸放浪記  作者: あかさか
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聖剣と異世界

すみませんちょっと内容変えるかも。

仮投稿です

大陸の南端にある砂浜に打ち上げられた男がいた。

朝の散歩に浜を歩いていた村の少女が発見し、村の男衆を呼んだ。

整った服装に細身の片手剣を帯びて、黒色の髪と同じく黒色で透き通った瞳。

男は異国訛りの現地語を喋り、言葉遣いや身なりからある程度の地位があるように見えるが

名前以外に彼のことは良くわからなかったと村人は言う。


男の名はダンと言った。




(さかのぼ)ること4日前。

ダンは聖剣を手にこの世界に迷い込んだ。

ダンは騎士だった。

齢25で神託を受け聖騎士となったダンは国王から下賜された聖剣を帯び、

魔王討伐軍の第2陣として最前線へ派遣された。

戦いは混迷を極め、土に人と魔族の血が混じり沼となるほどに戦いは熾烈だった。

ダンは聖剣を使い多くの魔族を葬りカンブリオ平原での戦いの勝利に貢献した。


勝利の宴の中、何者かによってダンの幕屋に投げ込まれた転送スクロールによって

聖騎士ダンは異空間へ転送されたと王国の記録に記載がある。


そのとき壮絶な爆音がした。

転送魔法が暴走した時のような、

空気ごと空間がえぐり取られたことによる破裂音が耳をつんざき、

ダンの意識はいったん途切れた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

長い時間が過ぎたように思える。

「ダン」

誰かが私の名前を呼んでいる。

「その声は誰か」

ダンは相手に問いかける。

「そこでのそなたの仕事は終わった、次へ行きなさい」

どこかで聞いたような声。

「もし」

尋ねた声は虚空へ消えるように霧散する

「新たな世界に君を招待しよう。

 全地を回り、よく見聞きしなさい

 そして、為すべきことをなしなさい」

こちらの声が届いていないのか。

暗闇の中に足元から腹に響いてくるように声がした。

体の重みもない。

夢うつつのような浮遊感が体を包んでいる。

「起きなさい」

その声に瞼が開く。

目の前に水、耳に入ってくる風切り音

どうやら私は海の上に出たようだ。

そう認識した瞬間、私は水にたたきつけられた。


そして、気が付いたときには周りに人だかりができていた。


「おいあんちゃん、いきてっか?」

「いい身なりだぜ、死んじまったら分捕っちまうか」

「そうだな、村長にばれなきゃいけるか」

なにやら物騒な声が聞こえる。

「待て、私は生きているぞ」

手を砂浜にめり込ませて顔を上げる。

急に立ち上がった男に驚き男衆が二、三歩後ろに下がる。

「あんちゃん大丈夫か?」

「あぁ、ここはどこだろうか」

「ルア村だ、あんたは」

「ダンという」

腰に手を伸ばすと聖剣は無事に腰に収まっている。

「まだなんも取ってねぇぞ!」

剣に手をかけたことに驚いた男たちがおびえてさらに後ずさる。

「いや、まて、害意はないぞ

 驚かせるつもりはなかった、村長のもとに案内してくれ」

剣から手を放して顔の周りでふらふらと振る。

男たちは互いに顔を見合わせて言った。

「あ、あぁ。

 こっちだ

 ついてきな」

男について歩き始める。

ご丁寧に雑納には財布も入っていることを確認できた。

後で川にでも行ってすべて真水で洗って油でも塗らないとならないだろう。

やっかいなことだ。


その後、村長に朝から騒がせた礼として銀貨を幾枚か握らせて

近くの川の位置を教えてもらった。

銀の価値はあちらとそう変わらないようだが、銀貨の模様が違うと言っていたから、

やはり人類圏(我々の文化圏)ではないようだ。


装備を洗いながら村長宅での問答に気をめぐらす。

銀貨での金銭備蓄がなく、そのほとんどが銅貨と錫貨であることに驚いた。

銀貨を3枚で半年は村にいてくれていいとのことだ。

さすがに貨幣価値がおかしい気もするが、決して大きな村ではないことを考えると、ほぼ自給自足の状態のため外貨を稼ぐ機会がないのかもしれない。

日差しが強いため衣服はほどなくして乾き、雑納に入っていた小物類も問題なさそうである。

身の振り方を考えなければならない。


まずはこの世界がどの様になっているかを知らねばならない。

この小さな村に情報があるかどうかは不明だが、生活様式などを見て置くことは悪くないことだろう。

道案内を買って出た老婆も特に私を警戒する節はない。

何かしら身分がある人間だと認知されたらしいからには、

事もよい方向に動かすこともできるだろう。


それから服を着こみ、雑納を下げ、腰に聖剣を帯びて数日村長宅で厄介になった。


あの声のことは気になるがまずは生活基盤を整えなければならない。

村長曰くこの村は各所に配置された匂い袋によって怪異を遠ざけているらしい。

柑橘系とハーブを合わせたような香りに少し線香のような香りが混じっている。

慣れると気にならないが下げてある匂い袋の近くではさすがに人でも悪臭に感じるほどの強い匂いだ。

村の規模は百人足らずといったところか。

漁村としてはそこそこの規模だろうがこの世界にも怪異がいることなどは生活様式などからも垣間見ることができた。

各地を巡り歩きよく見聞きすることが重要なら、それを行うまでだろう。

これ以上この村から学ぶことも無いと感じた私は村を出て大きな町を目指すことにした。


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