7/37
〜境目の幕間〜
景色を刻む雷霆が走り鳴く。
緋色のうねりが熾に燃ゆる。
既に息絶えた群れを斬り結び、まだ息絶えぬ群れを貫き。それでも尚まだ嗤う『擬き』の命を雑多に散らした。
不夜城の下、血染めすらも残さない凄惨な殺戮劇。
まだ、まだ足りぬと。災害の如し力を奮う二つの影は叫ぶ。
奪い、殺し、崩し、暴虐の限りを尽くしても尚。『この理想郷を崩すには足りない』。
それすらも、理想郷では。
カミサマの下では、許されるのだから。
『━━━━━━━━。』
時間にして、たったの一夜。
理想郷は再び、『人の幸福に包まれた』。