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〜境目の幕間〜



 景色を刻む雷霆が走り鳴く。


 緋色のうねりが(さかん)に燃ゆる。



 既に息絶えた群れを斬り結び、まだ息絶えぬ群れを貫き。それでも尚まだ嗤う『擬き』の命を雑多に散らした。


 不夜城の下、血染めすらも残さない凄惨な殺戮劇。


 まだ、まだ足りぬと。災害の如し力を奮う二つの影は叫ぶ。



 奪い、殺し、崩し、暴虐の限りを尽くしても尚。『この理想郷を崩すには足りない』。





 それすらも、理想郷では。


 カミサマの下では、許されるのだから。







 『━━━━━━━━。』





 時間にして、たったの一夜。


 理想郷は再び、『人の幸福に包まれた』。

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