表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TRY  作者: 田中タロウ
1/12

プロローグ

クリスマスイブにディズニーシーで彼女とデート。




24年間生きてきて、何もかもが初めてだ。

あ、来月で25歳だから、「25年間」の間違いか。



今までも彼女らしき女は何人もできたけど、

思えば本気で好きになったことはなかった。


だからクリスマスイブにデートなんてしたことがない。

ましてや、ディズニーシーなんて初めてだ。

ちなみにランドの方も行ったことがない。


彼女もランドの方が好きだし、

俺もなんとなく「初心者はランドからだろ」と思ってたけど、

今日は、のっぴきならない理由で俺達はランドへ立ち入れない。



「平日だけど、結構人が多いのね。冬休みだからかな?」

「そうだなー。カップルばっかり」

「私達もね」


そう言って彼女は天使のような笑顔で微笑む。

俺は思わず見とれた。


彼女は誰から見ても文句なしにかわいい。


すれ違う人もみんな振り返る。

なんだか俺も鼻が高い。


別に、外見に惚れたわけじゃないけどさ。




ディズニーシーの中央の池の周り(いや、海か?)を歩きながら、

彼女が呟く。


「ねえ・・・話があるんだけど」

「何?」

「実はね、私・・・」


彼女が口ごもる。

いつも積極的で物怖じしないのに、珍しい。


そうか。

あの話か。


「ああ。知ってるよ」

「え?」


彼女が立ち止まり、驚いた顔で俺を見上げる。


「知ってたの?」

「うん」

「いつから?」

「・・・前から」

「前?」


そう、知っていた。

ずっと、ずっと前から。



俺は彼女の手を取り、ゆっくり歩き出した。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ