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勇気を出して連絡をする

今日は一度に沢山投稿しますのでよろしくお願いします

それから数日後の事だった。

ブルーノから手紙が届いた。


『今回の時間の操作の対象になったから国立迎賓館は押さえられなかった。

申し訳ないが、現代美術館で行う。日付は3週間後。招待状は発送を終えたよ。メイベル宛に予備の招待状を送った』

 そんな内容だった。


『ありがとう。美術館での開催、楽しみにしているわ』

とだけ送った。


それから、早変わりメガネをかけて、セカンドクローゼットの服を着て図書館に行こうとした時だった。


『ライザが男性に絡まれているから、すぐにカフェに来て』

そんな手紙がコリンヌから届いた。


急いでカフェに行くと、若い男性2人組がライザに執拗に絡んでいた。

ライザがイデオンの知り合いだと知っている様子だ。


「ボスになんとかしてほしくて手紙を送ったんだけど、今は会議中だから返信が来ないの。どうしたらいいかわからなくて」


その時、ネイサンがホテルのマネージャーの格好のままやってきた。


「これは、アバーエフの方ではありませんか。どうしましたか?こちらの女性に何かありましたでしょうか?」


そういうと、バツが悪そうに出ていった。


「ライザさん、こちらの2階に住むのは危険です!引っ越しを考えてみませんか?」

ネイサンは優しくライザに聞くが、ライザはうんと言わない。


「私の所に来る?ボスのお母様のアパルトマンなんだけど、いくつかベッドルームがあるから大丈夫よ」


コリンヌが言うとネイサンも賛成した。


「カーネギー社長が所有している所なら安心です。今私が帰ると彼らは戻ってくるかもしれませんから、とりあえず今晩から行ってください」

そうネイサンに言われて、ライザはコリンヌに連れられて行った。


「ネイサン、ライザを大切にしてくれてありがとう。あの2人には幸せになって欲しいの」

そう言ってにっこり笑うと、ネイサンも私を見て笑った。


「ライザも、クロさんとコリンヌさんに幸せになって欲しいと思ってます。特に、クロさんは侯爵様との事を心配していますよ」

私にそういうと、にっこり笑ってネイサンは仕事に戻っていった。


ブルーノとの事……か。


私はどうしていいかわからない。

こうなるとお手上げだ。

恋愛も経験値なのかな。



なんとなく落ち込みながら馬車に乗った。

馬車に乗る直前、誰かに何か言われた気がするけど、馬車の停車場は思いの外混み合っており、私は振り返らずに急いで乗った。


馬車が動き出してから周囲を見たが、それらしい人はいなかった。

馬車に乗る人も多かったから、私に話しかけられたわけでは無さそうだ。



次の日、カフェに行くと、ライザがいつものように働いていた。


「おはようライザ。コリンヌのアパルトマンはどうだった?」

私の質問にライザはにっこり笑った。


「アパルトマンすごく豪華だったわ!大きなエントランスに、コリンヌの住んでいる所もすごいの!なんと最上階には、カーネギーさんが住んでいるのよ。だからね、夕食時になると、コリンヌは一人分を取り分けて、最上階に持って行って、執事に預けるのよ」

そう言って笑った。


「じゃあカーネギーさんは、コリンヌの料理がないと生きていけないわね」

私がそういうと、ライザも吹き出した。


「その自覚がないから、タブロイド紙に撮られるのよ」

ライザはそう言って今日のタブロイド紙を出してきた。


そこにはスレンダーなモデルとパーティーから出てくるカーネギー社長の写真が載っていた。


「これはダメね!いいことを思いついたわ!ちょっと待ってて」

そうライザに伝えたけど、すぐには行動に移せなかった。


迷っていてはダメね。

勇気を出してブルーノに手紙を送る。

ブルーノの屋敷の前で、フローラとブルーノが抱き合っていた事を思い出してしまうけど、それはそれ。


『この前は予備の招待状の手配をしてくれてありがとう。ブルーノなら知っているかもしれないけど、カーネギー社長が必ず参加するパーティーで、招待状がなくても入れるパーティー知らない?』


すると、しばらくしてから返信があった。


『カーネギー社長が参加するパーティーは、今日、ブラクストンホテルで開催されるチャリティーパーティーだ。協賛にカーネギー氏の名前がある。メイベルにも2週間前に招待状が届いていると思う』


それを見て招待状を探す。

あった!

運良くチャリティーパーティーだ!

他の人が開催するチャリティーパーティーも見てみたかった。


それからメイベル宛の、ドレスショップのダイレクトメールもついでに見つけた。

セール中って書いてある!

こんなのセレブに送るのが間違ってるわ。多分、メイベルは一度も行ったことがないショップだと思うわ。


だって、涼木鈴として生きてきて思うもの。

お金持ちは、欲しいと思ったら買うから、値段なんて気にしてないもの。

だから、バーゲンの案内なんて関係ないはず。



『ありがとう!招待状があったわ』

と返信する。


『カーネギー氏に会いにいくのか?』

と返ってきた。


『ええ。だから、必ず出席していないと困るのよ』

そう返信した。


それから、ライザに、

「すぐに戻るわ」

と伝えてカフェを出る。

このお店はそんなに遠くない。



このダイレクトメールを送ってきたショップの前に行ってみる。

メイベルの姿には戻らずに、あくまでメガネの姿で、ちょっと陰に入って指を鳴らし、ブラクストンホテルで頂いたドレスに着替えて中に入ってみる。


すごくメイベルの普段着のように露出の高いドレスばかりだと無理だと思ったけど。

ここは普通のドレスショップっぽい。

そして、セール中のため値引きもしてある。


ここに決めた!


お店を出て、急いでカフェに戻る。

「ライザ!もう仕事が終わる時間でしょ?ブラクストンホテルでもらったドレスを着てきて!」


「え?何?クロ、どうしたの?」

ライザは訳がわからないという顔をしている。


今日は水曜日だから、コリンヌはもうすぐカフェに来るはず。

確か、今日は早退してくるって言っていた。

ブルーノと銀行に行ったり、指輪を買いに行ってわかった。

お店にはドレスコードがある。

安い服を着ていると、入店すらさせてもらえない。


その点、コリンヌは大きな会社の秘書をしているから、あのドレスショップの入店に引っかかる服は着ていないはず。

ブラクストンホテルでもらったドレスは確かに高級品だけど、パーティーに行くためのドレスコードにはそぐわない。

あくまで、日常に着る洋服だ。



コリンヌが来たので、ライザにも無理を言ってブラクストンホテルでもらったドレスに着替えて来てもらった。


2人に見えないようにライトリングを嵌める。

ブルーノと一緒に行った宝石店で買った、ルビーのついた指輪だ。これに銀行で決済機能をつけてもらったから、この指輪を嵌めていたら買い物ができる。

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