詩「現在ふきのとう」
過去ごぼう。
未来ぶどう。
現在ふきのとう。
泥のついた明け方に
消えていくHBの星
遠くに飛んでいく山鳩の鳴き声を
雨の音を掻き分け掻き分け
雲の隙間を覗き覗き見て
さようなら
踏まれてきた畦道
威圧的な雷雲
地響きのような波の音
さようなら
ぼくの塊
木々に実るミノムシ
田田の康らかな瞳
さようなら
遠くに見えた町の光
覚えのない過去
それらの繋がり
そして
透明な右足が
なにかを蹴り上げた
空に刺さったのは
過去の傷跡
それを見たどこかの誰かが
星と名付けた
過去ごぼう。
未来ぶどう。
現在ふきのとう。