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拠点を得た

 王都の門の前までやっとついた。

 王都アラヴァルというのが王都の名前らしい。アラヴァルに入るには通行料を支払う必要があるということだった。

 ミロクが通行料を一括で支払い、私たちは中に入っていく。


「すごいな」


 王都は賑わいを見せていた。

 広場のほうに来てみると屋台が並んでおり、ポーションだったり食べ物などを売っていたりするようだった。

 それは公園で行われるバザーのように。フリーマーケットに近いか?


「それでどこを拠点にするん?」

「ああ、今向かってる」


 ミロクが話しながらも歩いていく。

 広場を抜け、大通りのほうにやってきた。大通りには職業ギルドという看板があったり冒険者ギルド本部という看板もある。

 そこを通り過ぎて少し行ったあと。でかい屋敷が見えてきた。


「あれだ」

「あれ……? でかすぎひんか? あれ金かかるやろ」

「それがそうでもない。あれはちょっとした訳ありだからな」


 ミロクがそう言って笑う。

 訳アリ物件……。訳アリ物件か。


「もしかして、出るのか?」

「で、でるってなにをぉ!? リスさんか!」

「そうだミツネ。多分考えてるのが正解だ」


 なるほど。曰くつき、か。

 たしかに曰く付き物件なら安く買うことができても不思議じゃない。この屋敷には幽霊がきっといるんだろう。

 私が眺めていると隣にいるキャトラが私の肩をつかんだ。


「ここやめにせえへんか?」

「どうした?」

「あ、あれやろ。出るんやろ、幽霊。うちそういうのだめなんや……」

「僕も。心霊番組とか怖くて見れないもん」


 二人とも情けない。

 私は別に好きでも嫌いでもない。幽霊なんて一切見たことがないから気にする余裕もないというものだが。

 だが、会ってはみたい。本当に足がないのか、実体がないくせにどうやって物を動かすのかとか聞いてみたいものだ。


「しょうがない。じゃ、ほかの候補にしよう」


 そう言って次に訪れたのは冒険者ギルドがあるところから曲がって数分のところ。一軒家みたいな建物だった。

 住む分には申し分なさそうだ。


「ここはなんもない。曰くはついてないから安心してくれ」

「じゃ、ここでええんちゃう?」

「そうだね。僕もここでいいかな。冒険者ギルドも近いし依頼とかすぐに受けに行けるからね」

「決まりだな。ではここを拠点としよう」


 ここが拠点に決まったようだった。

 一軒家としては割と広いほうだと思う。中は思ったより広く個室が一階と二階にそれぞれ四つずつあり、リビングらしきものがあったりなど。

 本当に一軒家という感じの部屋だった。一人二部屋与えられた。私とミロクは一階、キャトラとリュウは二階へと割り振られる。


 なぜ二部屋なのかというと一部屋はログインログアウトするために、もう一部屋は倉庫として使おうということだ。

 部屋にはベッドがあったり机があったりなど最低限のものはそろっている。部屋を飾りつけるのは自分たちでやるということだ。


「さて、そろそろログアウトするとしよう」


 もう夜だ。晩御飯を買いに行かなければいけないからな。





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笑う門には福来る!
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