ギルドを作ると宣言する
翌日。翌日は道場を休みにするので素振りをした後すぐにログインすることにした。
目覚めたのは昨日の銅像広場ではなく、昨日セーブしたところだった。私はメニューを開くとフレンドのところに通知があるようで開いてみる。
ミロクから何か来ていた。数分前に来たらしくログインしていたら8時までに広場に来て欲しいという。
広場に行くとミロクがたっている。
「おはよう」
「今日は一番乗りだな。おはよう」
「私は朝早いからな。普段の素振りもある」
朝四時に起床し道場内を少し掃除した後素振りを200回するのが私のいつもの朝のことだ。一日でもさぼれば弱くなる。
こういうのは積み重ねが大事なのだから。
「あっ、二人とも朝早いやん。おはよう」
「おはよう。リュウのほうは眠そうだな? 無理しなくてもいいんだぞ」
「僕もやりたかったしなんか大事なことでもあるんでしょお……。ふわーあ……」
「二人は元気そうやなぁ。うちもちょっと眠いわ」
「俺は普段五時に起きてるからな。この時間は目が覚めてる」
「私も四時起きだからもう目はさえている」
「なんでそんな二人とも早いん……」
習慣だ、と言っておこう。
「集まってもらったのはほかでもない。一応拠点を買える目途がついた」
「うそっ!? もう!? 昨日の今日やん!」
「百円さえあれば俺は増やせるさ。それでなんだが」
「ああ、それで?」
「正直、この町に拠点を構えるつもりはない。人が集まる王都に拠を構えようと思っている」
王都?
「知らないか? ここは一応国の中っていう設定だ。世界地図……もとい国の地図を買ってみたらこういうことになっている」
と、地図を広げて私たちに場所の説明をしてくれた。
ここはアルストロメリア王国という国で、島国の中のようだ。きれいな円形の島でこの外回りに私たちはいるということだ。
王都はこの街から少し歩いた先にあるという。今日はそこを目指そうということらしい。
「この真ん中の地図はないのか? ぼかされているが」
「ここか? ここは開拓されていないらしい」
「されてない?」
「未開の地と呼ばれていてな。ここには本当に強力なモンスターばかりが出現し開拓することができないということだ」
「なるほど。だから地図はドーナツ状なんやね」
「そして、俺らの目標は……これだ」
と、ミロクが未開の地を指さした。
「未開の地の全攻略……。未開の地を俺らで開拓しようということだ」
「……そりゃまた難しいことを」
「強いモンスターばかりなのだろう? 道なりは遠いな」
「でも、そのほうが燃えるね」
それもある。
難しいものに挑戦するほど燃える。ミロクは最強を目指すというのならここの攻略は外せないのだろう。
ちょっとやる気出てきたな。
「もちろん未開の地を攻略しないでも楽しめる。俺がやろうとしてることは割と無謀なことだ思っている。やりたくないなら降りてもいい」
「だそうや。もちろんうちはやるで。未開の地をいつか攻略したるわ」
「僕ももちろんやるよ。退屈しなさそうだしね」
二人はやる気満々だ。
三人は私のほうを見てくる。私の答えは決まっているのだ。
「もちろん私もやろう。私は従うまでだ」
「よし、じゃ、未開の地攻略を目標にギルド、不死鳥の羽をここに作ると宣言する」
「おー!」
不死鳥の羽。いい響きだな。
「じゃあさっそく王都というところに向かうか?」
「あ、うん、そだね。ここでいいレベルに育ってるし王都に向かってもいいだろう」