彼らはレベルを上げる
このゲームには魔物という怪物が存在しているらしい。
それを倒すと経験値がもらえ、レベルがアップするのだとか。私たちは1レベルなのでレベル上げをする必要があると言っていた。
「この平原の魔物を狩ろう。パーティ登録はあえてしない。自分で倒したものが自分だけの経験値になる。では、しばらく分かれて行動だ」
というので私は平原を歩く。
のどかなような感じもするが時折子熊が走っていたりもしている。あれも魔物なのだろうか。私は剣をいつでも引き抜けるようにしながら歩いてく。
すると、突然目の前にでかいスライムが現れた。
「スライム……」
スライムはプルプル震え私のほうに突進してくる。
私は躱し剣で一撃いれる。一撃ではないが多少体力は削れているようだった。私はすかさずもう一撃加えるとスライムは元気をなくし消えて行った。
そして宝箱が出現する。開いてみるとスライムの核というものが入っていた
「敵を倒すと物が落ちるのか。なるほど」
私が一人で納得していると、また、今度は数匹のスライムが現れた。
スライムは一斉に突撃してきたので私は剣で一撃ずつ入れて、またもう一撃ずつ入れると全員が倒れた。
すると、突然幻聴が聞こえる。
《レベルが2となりました》
どうやらレベルがあがったようだ。
敵を倒すとレベルアップというのはこういうことか。面白い。こういうのは私好きだぞ。何かに打ち込むのは割と得意だ。
しばらくスライム狩りでもしていようか。
「スライム狩りだぜ」
ひたすら剣でスライムを切っていたらもうレベルは18になった。
とりあえずこの辺でいいかと思い銅像がある広場に行くとすでに三人がたっている。遅いと言わんばかりにこちらを見ていた。が、集合時間とか私は知らなんだ。
「どう? 調子は」
「とりあえず7まであげた」
「勝ったわ。うちは16」
「私は18まであげたぞ」
「「完敗だ(や)」」
どうやらみな順調にレベルを上げているようだ。
ミロクは考え込むように顎に手を当てる。
「うん、やっぱ三人ともすごい成長だね。ひたすら打ち込んでたんだ。才能ある人で実力残してる人はやっぱこういうのは得意そうだ」
「練習と変わらん。的が変わったと思っただけや。それでうちらをまたなんで呼んだん?」
「いや、フレンド交換してないなと思ってな。ギルド作る以上、連絡手段は必要だろう?」
「そうだね。じゃ、全員とフレンド交換しようか」
そういったのでフレンド交換することになったのだが。
フレンド交換というのはなんだろうか。人身売買……友達を交換するということだろうか? 私は頭にはてなを浮かべていた。
「……メニュー開かんと」
「あ、わかった。フレンド交換か。私交換するようなフレンドいないが……」
「……フレンド交換って知らない? 連絡先交換のようなものなんだけど」
「そうなのか」
キャトラ曰く最近のゲームではよくやることらしい。
操作を教えてもらいフレンドのところを開く。すると三人から申請が届いていたので受諾というところを押した。
三人とフレンドになりましたという幻聴が聞こえ、どうやら成立したようだ。
「これで連絡しあおうか。それとなんだけど、ギルドを作るときにギルド拠点とかを買わないといけないから金策も同時進行で。俺もいろいろと金策はしてみる」
「わかった。とりあえず素材を集めて売っていこう」
じゃあスライムの核をたくさん売れば少しは金になるのか。
売りに行こう。