◇誰の仕業?
◇は他者視点です。今回はミロク視点です。
俺たちは街から出ようと森に入っていた。
森の中を突っ走り、出ようと試みるが、奥に進むと道に迷い最終的に森の入り口に戻ってくるようになっている。
俺とリュウは何度も森の中に入っていっては戻されるの繰り返しだった。
「これだけやってるともうわかってくるね……。この街から出られないって」
「ああ。そうだな」
俺はため息をつく。
出られないとなるとどうしたらいいのかわからんな。街の中に戻り、俺たちは宿に入る。オブリビオンという街の宿屋はとても質素で寝泊まりができるだけの建物だった。
あの二人がいない以上、どうしても戦力が落ちてしまっている。俺とリュウも最低限戦えはするがあいつらと比べると雲泥の差だろう。
「あの二人にもメッセージ送れないねぇ」
「どうするか、だ。さすがにあの二人は帰ってこない俺らを不思議がってるとは思うだろうが……」
あの二人は馬鹿じゃない。帰ってこないことを訝しむだろう。なんかの異変に巻き込まれてるとは気づくはずだ。
だがしかし、あの二人はこの街のことを多分知らないだろう。地図を見てもオブリビオンという街は存在していない。二人が気づかないのも無理はないからな。
「これからどうする? ミロク。僕たち二人でどうやってこの街から脱出する?」
「……そうだな。とりあえずこの街の謎を解くことから始まりだろうな」
この街の謎……。なぜ地図に載っていないのかということだろうな。
人々に聞き込みをしてみても知らんといって、どこから来たのかは知らないがその街のことは忘れようと勧めてくる。
人々は口をそろえて忘れることは素晴らしいといっていた。意味が分からん。意味が分からない恐怖が俺らを襲ったのを覚えている。この街の人は不気味だ。だからこそ近づきたくない。
「よー、ミロクたち」
「アンプ」
俺らの部屋に入ってきたのはプレイヤーのアンプという男。
アンプたちもこの街に最初のころに迷い込んで閉じ込められているらしい。まだ出る方法も検討ついてないらしいから俺たちに協力してもらっている。
アンプたちも早くこの街から出て外で思い切りはしゃぎたいといっていた。この街に縛られるのは御免だと。
「俺のほうでも街のあらゆるところを見回ってきたけど何も手掛かりはなかったな。だが、とあるじいさんからさっき面白い話を聞いてきた」
「じいさん?」
「そのじいさんもさっき外の街からやってきたばかりなんだと。で、この街について知っていたから教えてもらっていた」
「それはなに? 教えてよ」
「この街は忘れられた街と呼ばれてるんだってさ。この街に入るといつしか外の世界を忘れてここで過ごすことになるって」
ふむ。
忘れられた街……。だから地図に載っていないのか。そんなことって可能なのだろうか。俺は深く考え込む。
そもそも、これはたぶん人間の仕業ではないのは確かなのだろう。この街を忘れさせられることができるのは神の芸当にも等しい。いや、悪魔の仕業なのかもしれないな。
この前王都にある図書館で魔物についての本をちらっと読んだときある悪魔に対しての記述があった。
忘却の悪魔ノーム。Aランクの魔物で対象をこの世から忘れさせる能力を持つという。多分……いや、絶対この魔物の仕業なのだろう。
「ノームを探すとしよう」
俺はそう告げると二人はわからないという顔をした。俺はノームという悪魔について説明してみると合点が言ったようで探そうと躍起になり始める。
「じゃ、俺探してくるわ! 善は急げってな!」
「ああ、俺らも……」
俺が立ち上がった瞬間だった。
部屋の扉がまた開いた。アンプのやつが忘れものでもしたのかと思ったが違うようで、丸坊主の男がたっている。
「お、いたっすねぇー。こんちはっす、ミロクさん」
「シラトリ……!」




