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暗い谷での戦い ③

 ファントムナイトの剣を受け止める。

 甲冑の中が見えたが空洞。ゴーストが操っているという認識でいいのだろうかとも思ったが、まずは目の前の戦闘に集中しよう。

 私は押しのけ、刀で切りかかる。


「甲冑に攻撃当てても通るのかね」

「鉄だからわからねえな。ダメもとで当てるしかねえだろ!」

「そうだな」


 私は一撃加えてみる。

 音速の刀が甲冑をとらえた。兜が飛んでいく。頭がなくなるが、なお私に剣を向けてくる。大したダメージにはなっていなさそうだ。

 ダメージが通ってないと考えるべきか?


「ダメージが全然通ってねえな。2ダメージぐらいだ」

「なるほど。割と全力でかかったんだがその程度か……。なら攻撃する場所を変えるべきだろうが……。弱点は……」

「いや、そのまま頭を狙え。よく見ろ頭を。弱点が露呈している」


 というので、頭を見ると、たしかに赤い水晶のようなものが浮かび上がっていた。

 これが赤く光っていたものだとするなら、これが本体なのかもしれん。


『ヨクモ……。ヨクモォォォ!』


 と、剣を持ち切りかかってくる。

 私は受け止めようとしたが、なんとなく嫌な予感がしたので避けた。その剣は地面に突き刺さったかと思うと、ぱっくりと地面が割れて、谷の下に割れた地面が落ちていく。


「なんつーパワー……」

「避けて正解だったな。さすがに本気出したファントムナイトの攻撃を受け止めるのは無理そうだ。短期決着を心掛ける」


 私は刀で切りかかる。

 剣で一撃受け止められた。すかさず私は足で鎧を蹴り、飛びのく。そして、また愚直に向かっていく。

 攻撃する暇を与えないほうがいいと踏んでいる。こちらから仕掛けるほかあるまい。受け身の戦闘ではなく攻めの戦闘だ。


『貴様……何者ダ……』

「…………」

『ソノ気迫……! マルデ鬼……鬼ダ』


 私は赤い水晶を切り払う。

 水晶は真っ二つに斬られると、甲冑は力を失ったのかその場で倒れる。


「討伐完了。自分から攻めるとなると集中しすぎてしまうな」

「お疲れ……。マジで怖かったよ。おめえ、本当に女か?」

「失礼だな。女だ」

「女であの気迫たぁ……。俺様、てめえだけはマジで怒らせたくないぜ。味方だからよかったものの、あの気迫を面と向けられたら俺様はまじでちびってるだろうよ」

「そこまで怖かったか?」


 よく怖いとは言われるがちびるほどだろうか。

 私自身自分の気迫はわからん。鬼が宿るなんて言われてはいるが……。それはものの例えだろうし。だがしかし、先ほど敵は…鬼のような気迫と言っていた。

 私は鬼だったのだろうか?


「まぁいい。味方であるのは心強え。絶対俺様の敵に回るなよ。絶対だかんな!」

「私はそうそう味方陣営を切り替えたりしないが……」

「そうだ、それでいい。俺様もミロクの味方陣営にしかつかねえから裏切るなよ」

「裏切るつもりは毛頭ないが……」


 どこまで怯えてるんだろうか。








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笑う門には福来る!
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