人を乗せるライドンバード
私たちはユミルの街に向かうことになった。
円形の地図を広げどこにあるのかをシラトリに聞くとシラトリはここだと指をさす。そこは第二エリアと呼ばれるところの近くにある街のようだ。
この円形の島国は八つのエリアに分かれてるらしく王都がある第一エリアとかで分かれてるということだ。
エリアを超えるためにはなんかのクエストをこなすとかいう条件もあるらしく未だに第一エリアから抜け出せていない。
プレイヤーが頑張って探してるみたいだが。
「結構遠いなぁ。日帰りで行けるんか?」
「行けるっすよ。魔鳥ライドンバードを使えばすぐっす」
「ライドンバード?」
「人間が使役してる魔物で人を乗せて走るのが大好きらしいっす。俺らもライドンバードを使役しましょう。生息地は王都の森の中っす」
というのでまずはライドンバードを探しに来ていた。
ライドンバードは森の中を歩き、平原を走るなど割と生息範囲が広いのでどこにいるのか読めないという。シラトリは勘で森の中と言っていたがどうやらビンゴだったようだ。
ライドンバードは湖でのんきに水を飲んでいる。
「きゅい」
「キュイ?」
シラトリがきゅいと鳴くと声に気づいたライドンバードがこちらに駆け寄ってくる。ちょうど三匹いた。
一匹が私にすり寄り、ほほをすりすりしてくる。ふかふかとしている羽毛が心地よい。
ライドンバードは二足歩行の鳥のようで見た目的にはダチョウに近いが見た目が可愛い。
「俺、アンタに乗りたいっす。使役してもいいっすか?」
「キュイ~」
「お、使役できたっすね。じゃ、手綱と鞍をつけるっすよー」
といって手際よくライドンバードに手綱と鞍を乗せて乗れるようにしていた。
私も見様見真似でしてみよう。
「その、使役していいだろうか」
「キュイ?」
「か、可愛い……」
《ライドンバードを使役しました》
《ライドンバードを呼び出すと念じるとどこでも呼び出すことができます》
というアナウンスが流れる。
「どうやらミツネさんも使役できたみたいっすね! キャトラさんも! じゃ、操るための手綱と鞍をつける作業っすよ」
というので私は手綱をつけてみる。ライドンバードは手綱を口にくわえナニコレといわんばかりに首をかしげる。
鞍もつけおわり、私はライドンバードにまたがってみた。ライドンバードはキュイーと可愛い鳴き声を上げる。
「よし、じゃ、操作方法を説明するっすよ。走らせたい場合は手綱を引く、もう一度手綱を引いたら止まるっす。で、右に行きたい場合は右をひっぱり、左の場合は左にひっぱるっす。片手でやる場合も同じ感じで操作するっす。そして、ジャンプさせたい場合は足をキュッとしめる。ライドンバードは5mくらいなら楽々ジャンプできるらしいっすよ」
「ほう?」
「ま、習うより慣れろっすよ。じゃ、向かいましょう!」
私はライドンバードの手綱を引く。ライドンバードはキュイーと鳴いて走り出した。
速い。車を運転しているかのようだ。平原は障害物も何もないからものすごく快適に走れる。もふもふだしすごい。
私は思わずキュッと太ももをしめると突然ライドンバードがジャンプした。
ライドンバードは空高く飛び上がりものすごく高い。10mは飛んでいるだろうか。
「キュイー!」
「太ももしめたからか……」
ライドンバードは着地する。そしてまたスピードを上げて走り出す。
これならすぐにユミルの街につく。待ってろミロクたち。




