試される大地 ①
北海道、到着。
「さぶっ!!」
ミケの第一声がそれだった。
外は雪がたくさん積もっており、この薄いコートだけじゃちょっと寒い。弥勒はわかっていたのか分厚いコートを羽織っておりナックルは涼しげな顔をしていた。
「そらそうだろう。北海道は雪が積もっているからな……。しかも晴れてるからなおさら寒いさ」
「雪だ!」
「新千歳空港には服屋もあるし、そこで分厚いコートを買っていこう」
「そうだね……。これは寒すぎる」
私たちはまず服屋で買い物をすることになった。
コートを購入し、そとにでる。まだ多少寒いがさっきよりはましという感じだな。続いてはバスに乗り登別に向かうのだという。
温泉旅行なので登別の温泉旅館に泊まるのだとか。弥勒は予定を全力で終わらせてきたということで一か月は暇なのだという。北海道一周はできそうだ。
「……おなかすいた」
と、バスに乗り込もうとしたとき、楠音がそうこぼす。
確かに昼時だ。
「弥勒、昼ご飯を食べてから向かわないか?」
「そうだな。じゃ、回転ずしにでもいこうか」
というので、弥勒はバスに乗るのをやめて近くの回転ずしの店まで案内してくれたのだった。
回転ずしの中に入り、席に座る。おしぼりで手を拭いて、私はレーンの上のお寿司を見てみた。
「……ネタでっか」
「ほんとだ。食べ応えあるね」
「ほんまやん……。本州とはネタの大きさ違うなぁ……」
まぐろの赤身が皿についている。私たちの住むところだとシャリの上にちょんとのっかっているだけでここまででかくはない。
北海道、やばくないか。
「……うまい」
「これ回転寿司で出していいネタなん? 一貫でも割と頬張ることになるんやけど」
「北海道だからな。食材の宝庫だからそのでかさだ。ホッキガイも頼むとしよう」
「ほっきがい?」
「俺らにはなじみがないからな。ホッキガイは北の海にしかいない貝でな。うまいんだこれが」
「へぇ。私も一つもらおうか」
「んじゃ、二皿か」
ホッキガイか。どんなのなんだろうか。
あとは貝類はなにがあるのだろう。私はメニューを見てみる。ホヤ、ミル貝、ホタテなどもあるようで、貝類もバリエーションが豊富だなぁ。
「リュウ、お茶作ってくれ」
「おっけー」
「リュウ、私にもな」
「レーン側に座った人の宿命だねこれは」
レーン側はお茶とか作る位置だからな。
「ドリンクバー頼んでもいい?」
「構わん。ドリンクバーな」
「わーい」
楠音にはお茶はまだ駄目か。楠音、お茶飲めないからな……。麦茶ならいけるが緑茶などは飲めないという。
それに猫舌だから熱いのもだめ。そこが可愛いな。
「弥勒、しめさばとってくれやー」
「ん」
北海道のすし屋は最高だな。




