表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
260/404

ぶっ飛ばし魔法陣

 私たちは地上に戻り、砂漠の街に行く。

 瓦礫が散らばっている様子を見て街の人はどう思うのだろうか。住んでいた街が一夜にしてなくなるさまを見て、何思う。

 もうすでに街はなく、この砂漠を出ていくしかない絶望は私にはわからない。


 私たちは街のあった場所につくと、人々は黙って瓦礫の中をあさっていた。

 ミロクたちはそれをただただ見ている。


「無事だったか」


 と、ミロクが私に気づいた。

 

「ああ、竜巻を止めるのに必死になっていてな……。遺跡の入り口も封鎖されてて逃げれなかったから砂漠から一度遠ざかっていたが……。ひどい有様だな」

「そうだな……。こういう災害はつきもの、だがな。一夜にしてすべてなくなったと思うと言葉も出ねえ」

「そうだな」


 災害ばかりはいつ起きるかも予測できんからな。

 

「一度王都に戻ろうか」

「そうだね。あたしもこんな悲しいムード漂うところにはいたくない」


 ヒメノもそういっていた。


「もうちょっとヒメノともクエストとかやりたかったんだがな……」

「こればかりはしょうがないよ。王都に戻ってもあたしのギルドにくればいいさ。ま、あたしもこの砂漠で割と単独行動とってたし一緒にやってたかどうかは微妙だけど楽しかったよ」


 そういって、みんながライドンバードを呼びだそうとした時だった。

 遺跡のほうから何かが出てきた。魔法陣が描かれた紙がひらひらと私たちの足元に落ちる。すると、私たちは勢いよく吹っ飛ばされたのだった。


「ちょ、なんなのこれ!?」

「なんでこんな宙を舞ってるんだ!?」


 と、私たちは二人ずつ別方向に吹っ飛んだようだ。

 私とヒメノは一緒に空中を飛んでいる。飛んでいるというか、飛ばされているというか。何が起きたのだろう。

 そういえば、マツリが飛ばされている様子は見えなかった。マツリはどうやってあのふっとび魔法陣を……。


「あれは転送魔法陣ですね。あの遺跡のトラップだったのでしょう」

「……なぜいる?」

「私もあの魔法陣を踏みまして。ミツネさんはこっちにとんだなと思って飛んできました」

「あっそう……」

「それより転送魔法陣って?」

「えっと、本来はあの遺跡内で使用されるもので、遺跡のどこかに強制的に転移させるというものですが、外に出てしまったせいで魔法が暴走しこうやってランダムにどこかに転送してるんだと思います」

「転送っていうかこれ飛ばされてるけど。転送って……瞬間移動のようなものじゃないの?」

「瞬間移動は魔力使いますからねぇ。こうぶっ飛ばしたほうが転送が楽なんじゃないですか?」


 そう説明してくれた。

 ヒメノは納得したようだが。


「で、どこに転送されるんだ?」

「さぁ……」

「さぁってあんた……」

「とりあえず砂漠じゃなかったらハヤテくん呼び出して帰ればいいじゃないですか? こっちには鳥さんがいるんですから空中を経由して帰ればすぐですよ」

「そうだな」


 砂漠以外の上に落ちることを願うしかないか。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


笑う門には福来る!
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ