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私がキャトラでキャトラが私で

 シーフは心配そうに私を見ていた。


「ああ、大丈夫だ。で、キャトラをそろそろ起こすとしようか」

「キャトラ? キャトラはあんただろ?」

「いや、私はミツネさ」


 私は私の体をぺちぺちたたく。なんだか不思議な感覚だな。改めてみると割と顔整ってるんだよな私。自画自賛ではないが。

 私がぺちぺちたたくと、目を開けた。


「うーん、気絶しとったんか?」

「私の体で、私の声で関西弁というのは不思議な感覚だな」

「私の体? って、なんでうちが目の前におるんや!?」

「え、お前らなに? もしかして……」

「ああ、入れ替わってるようだ」

「ええ~~~~!?」


 ミツネ(中はキャトラ)が驚きの悲鳴を上げる。


「あの魔物のせいなんか!? でもいないやん!?」

「俺が倒したからな……。でも、なんで入れ替わったまま……」

「もしかするとこれが呪いなのかもな。呪いはどうやって解くんだ?」

「えっと、知ってるもんがあるなら時間経過で解けるもの、教会にいって解くもの、死んだら解けるものがあるが……。どれに該当してるんだろうな」

「……戦いが終わっても解けないんやな。たしかにステータスに入れ替わり呪いって書いとるわ」


 どうやら私たちは呪われてしまったらしい。

 男の体じゃなかった分まだマシというぐらいか。私はしょうがないのでキャトラからアイテム袋をもらい、アマテラスを引き出す。

 ツクヨミは私と同化したので私の体じゃなきゃ取り出せないだろうからな。アマテラス持っていてよかった。


「ほれ、キャトラの武器」

「うちの体でうちの名前呼ばれるのすげー違和感あるなぁ……」

「そうだな。私もそう思う。で、だ。あのゴスケットっていう魔物、手を三本伸ばしてたよな? の割にはシーフは呪われてないな。触れられてないのか?」

「俺も触れられたがなんもなかった。多分同性でなくては入れ替わりできないんだろうよ。クソ、俺も女の体に入りてえ!」


 と、欲望丸出しの言葉を言っていた。その発言に少し幻滅したが、がんばって倒してくれたのはありがたい。

 それにしても入れ替わり、ね。不思議なこともあるものだ。


「先を急ごう。鍛冶職人が……」


 そう話していると突然前から足音が聞こえてきた。

 私は刀を構える。影が見える。どうやら人……のようだが。鍛冶職人だろうか。私は警戒しながら待っていると。


「ぎだっ! ごわがっだ!」

「お前鍛冶職人か?」

「ああ! 俺はドワフ! こう見えてもビビりでな! 怖かったんだぜ! 心細かったんだぜ! ありがとう!」

「死んで戻ったら楽やったのに……」

「死ぬのが怖いんだ! 俺は死ぬ覚悟がないから戦闘職についてねえ!」

「……お前VRMMOとか絶対向いてないタイプなんだよなぁ」


 救難信号出してきたのはビビりだったのか。






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笑う門には福来る!
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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