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彼女はノリノリでアバターを作った

 翌日、本当にゲームが届けられた。

 ヘッドギアと一つのゲームカセットが入っている。これはテレビでも大々的に告知されていた発売されたばかりで今手に入れるのは難しいと言われているゲーム。”リングインズナイトメア”とかいっただろうか。

 私はリングインズナイトメアを手に取ってみる。一緒に来た昨日の側近らしきやつがヘッドギアとかの説明をしてくれたのでなんとなくは把握した気がする。たぶん。


 私はとりあえず試しにログインしてみることにした。

 なるべくベッドでログインしたほうがいいというので敷布団を引きヘッドギアをかぶり電源を入れてみる。

 すると、暗かった目の前が突如として光りだす。


「な、なな、なんだ!?」


 私はどこか知らない空間に浮いていた。

 緑色の世界だった。コンピューターの中のような世界。私は一人そこに立っている。すると目の前に突如として一人の女性が姿を現した。


『ようこそ。ゲームの世界へ。私はキャラクリエイトを担当するAIです。あなたがゲームの中で過ごすアバターを設定します。性別は変えることができません。その点はご注意を』

「あ、わ、わかった。世界でのかりそめの姿ということだな。聞いたことはあるぞ」


 友人がアバター作成めんどくさいとか言っていたな。その”あばたー”というやつなのだろう。


『まずは名前を決めてください』

「え、現実の名前そのままでいくんじゃないのか?」

『現実の名前は控えてください。個人情報です』

「そ、そうか。個人情報か」


 名前、か。名づけるのは得意じゃないのだが。

 そう言うのは一切やったことがない。幽音という文字を並び替えてねうゆとかでもいいがそれだとちょっとダサいと思われそうだ。一応は外聞を気にしてるからな。


 うーむ。どうしたものか。


『困った場合はAIが自動的につけてくれる機能もありますが』

「そ、それにする。私に名付けは無理だ」

『かしこまりました。ではミツネといのはどうでしょう』

「それでいこう」


 名前はミツネに決まった。


「続いては種族を決めてください」


 そういって私の目の前に黒いテレビのモニターのようなものが現れる。タッチパッドというものになってるのか触れて上下に指を動かすと動くようだ。

 私は一通り眺めてみる。”エルフ”というものがいたり”ドワーフ”というものがいたり。エルフとはなんだ。ドワーフってなんだ。


 獣人は文字から察するに獣の人ってことだろう。よく街中で目にする猫のような耳を持った女性のようになるのかもしれん。

 無難に人間でいいだろうか。


「いや、人間だとつまらんな」


 人間は現実だけでいいだろう。友人はキツネが好きとか言ってたしキツネの獣人にでもしておこうか。私も好きだしな。

 獣人になればきっと自分の耳をモフモフできるのだろう。楽しみだ。現実と違って逃げないからな。


『では、職業を選びください』


 そういってまたモニターがあらわれる。

 職業もたくさんあるが初級職と書かれているものだけだ。下にずっとスクロールしていく。全部初級職のようだ。

 まぁ、私は剣士一択だろう。剣しか使えないからな。見習い剣士を選ぶ。


『最後になりますが、自分の目の色や髪の色をカスタマイズしましょう』


 といって鏡としたには色が表示される。鏡には私が写っている。

 金髪……。金髪にはちょっとあこがれているな。父さんたちが厳しくて髪を染めることは一切してこなかった。浮ついた髪色にするなと怒られたこともある。

 だから金髪……。いや、私には似合わない。やはり黒髪黒目が一番だろう。

 黒髪の……ポニーテール。やはりポニーテールが楽だ。


「はいらいとってなんだろうか」


 私はハイライトONと書いてあるところを押してみた。ONという文字がOFFという文字に変わる。

 鏡を見るとなんだか私の目が生気を失ったかのようなうつろの目になっている。かっこいい。OFFにしよう。

 設定を終えたらこの完了というところを押せばいいのだろう。


『すべての設定が終わりました。では、ゲームの世界をお楽しみください』


 そういって、私がいた空間が崩れ去っていった。






作者、Twitterもやってます。

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笑う門には福来る!
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[一言] 主人公の身長・胸・狐の毛の色は読者の想像に任せるとして、髪型等はこの先の話で明記されていますしここにまとめておいて頂けると見返しやすく、ありがたいです。
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