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イベント打ち上げ ②

 ミケはウーロン茶をグイっと飲み干す。


「それでお前らほんと浮ついた話とかほんとにないん? 結婚相手とか交際相手とかおらへんの?」


 と、いきなりぶっこんでくる。

 もちろん私はいるわけもない。城崎も性格からしていないだろうし弥勒も城崎と同様だろう。リュウはわからないけれどな。


「特に弥勒なんかは繋がりかなんかで婚約者とかいそうなもんやけどなぁ」

「いるにはいるぞ」

「「「いるの!?」」」

「なんだお前ら知らなかったのか? 俺は聞いてたけど」


 え、いるの? でも婚約者の話をしてるところなんて一切ないが。

 

「あいつはなぁ……なんつーか、ほんっとうに自己中なやつで婚約者だと思いたくねえ」


 弥勒はワインをグイっと飲み干してそう言った。

 弥勒は婚約者が嫌いなようだ。どんだけ自己中なのかは知らないけれど……。


「だが最近はなんだか性格が変わったっていう話も聞くがな。最近会ってないからわからねえ」

「ふぅん。会ってみたらええんちゃうの? 性格変わったゆうてんならあって確かめるべきやろ」

「そうなんだがな、未だに苦手意識が拭えねえんだよ」


 弥勒がそうごちる。

 すると、突然道場内の扉が開かれたのだった。私は何事だと思い近くに会った木刀を手に持つと、一人の女性が立っている。

 誰だ? 私は木刀を持って近づくと黒服の男が私の前に出てくる。


「なんだ人の家に不躾に入ってきて」

「あなたたち。やめなさい。無礼なのは私のほうなのよ」

「なんだ、無礼だとわかって入ってきてるのか?」


 私は木刀を構える。


「その、悪いわね。弥勒様がここにいると聞いて。ずっと避けられてたから今しかないと思ってきたのよ」

「……弥勒?」

「……なんでお前がここに。なぜここにいると」

「なぁ、弥勒誰なんこいつ」


 弥勒は女に近づいていく。

 女はスカートのすそをつかみ、一礼した。


「はじめまして。私は真毅まがい 琴音ことね)と申します。弥勒様の婚約者です」


 ほう? これが自己中という評価の。

 勝手に入ってくるあたり噂は違わないようだな。


「その、弥勒様。少々お話を」

「いいわけないだろう。ここは俺の家じゃないのになぜ勝手に入ってきている?」

「だって弥勒様とはこうでもしないと近づけないじゃないですか」


 琴音さんはどれだけ弥勒のガードが堅いか説明してくれる。どれも事実なようで弥勒は認めるように反論していた。

 聞いていて思ったのがそこまで避けるからこそこうなったのではないかという疑問だった。


「……弥勒。お前、そうやって避けるからこんないらんトラブルを」

「わかってる。ちゃんとすべきだった。言ってて俺も思ったよ……」

「ともかく! 私は弥勒様と話がしたいのです! お願いします。少しの間だけでも!」


 と、琴音さんは頭を下げてお願いしていた。

 弥勒はそれに驚いたかのような顔をしている。私もちょっと驚いてはいる。弥勒が語る彼女の像とはかけ離れているからだ。

 自己中というのなら目の前で頭を下げることはないのだ。だからこそ、彼女は自己中だとは思えない。


「わかった。私が許可してやろう」

「幽音!?」

「絶対お前これを逃すと話そうとしなさそうだからな。話し合いは大事だ。私たちは酒を飲んでるからあとは二人で、な。隣の部屋が空いてるぞ。黒服さんたちも飲まないか?」

「いえ、私たちは仕事中ですので」

「公私きっちり分けてるんだな」


 すげなく断られてしまった。

 私は二人を引っ張っていき隣の部屋に押し込める。私は会場に戻って酒をあおる。


「あれ、ほんとにうまく話せるんか? 弥勒、ものっそい嫌な顔してたで」

「性格変わったっていうんなら大丈夫だろう。ほんとにダメなら逃げてくるだろうしな。それに、こういう荒っぽいことをしないとあいつは逃げたままだろうに」


 そういう男だ。弥勒は。






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笑う門には福来る!
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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