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クマ嵐 ①

 今日は冒険者ギルドで依頼を受けるということだ。

 冒険者ギルドで依頼を受けるには冒険者カードというものを作らないといけないらしく、私はカードに必要な事項を記入していく。

 生年月日だったり名前だったり種族だったり。誤魔化しは効かないようだ。


 そして必要事項を書き終え数分するとカードが出来上がり、依頼を受けれるようになる。私たちはパーティ登録もしておき、一緒にFランクから始める。

 ランク制度についても説明しておくがランクは初心者は必ずFランクから始まる。最高ランクはSSランクらしい。これも最強に至るまでに必要な経路らしく全員ランクをSSランクまで上げるという使命が追加された。


 パーティと個人どっちもSSランクにするらしい。

 依頼をちまちまこなしていくしかないな。


「じゃ、薬草採取クエストに行こう。Fランクの依頼でこれが一番よさそうだ」


 ミロクが薬草採取の依頼の紙を掲示板からはがし受付にもっていく。

 見事依頼が受理され、私たちは王都はずれの薬草の森という場所で薬草採取をすることになった。

 


 薬草の森にも魔物は出るらしく、スライム、ゴブリンが主に出るという。運が悪ければクマがでるのだとか。


「熊、か」

「やる気やなぁ」

「熊とは一度も勝負をしたことがないからな」

「してたらむしろ馬鹿やで」


 熊が現れないだろうか。

 私は熊と戦いたい。漫画でもよくある熊との対決。生きるか死ぬか。生存競争を一度はしてみたいものだ。

 私は笑いながら刀に手をかけていた。


「とりあえず俺とリュウが薬草を摘む。キャトラ、ミツネは周囲の警戒を頼む。昨日みたいなこともないわけじゃないだろうしな」

「おっけー。とりあえずうちとミツネに任しとき!」


 指示されたので私は刀を抜く。

 リュウとミロクはかがみ薬草を取り始める。キャトラは木によじ登って何か来ないか見張っていた。私はその辺をうろうろする。

 くーまよこいっ、はーやくこいっ。


 私はそう念じながら見張っていると。

 どこからか激しい咆哮が聞こえてくるとともに地響きが聞こえてくる。それはまるで重機が勢いよくこちらに突っ込んできているかのような音だった。さすがに二人も手を止めている。


「なんか来るね。もしかして……」

「熊、だろうな」


 私の願いが届いたのだろうか。

 私は刀を構え、音のする方向を向くと。茶色い物体がこちらに近づいてきている。全長はおよそ5mといったところか。さすがというべきか、ものすごい巨体だ。

 

「熊やあああああ!?」

「に、逃げよう。さすがに今のレベルじゃ熊と太刀打ちは……」

「よく来た熊公よ! さぁ、この私と勝負しようじゃないか!」

「馬鹿がおる! さっさと逃げるで!」


 と、私の襟首が捕まれる。


「な、なにをする! せっかくの熊との手合わせだぞ!」

「レベル差とか考えてみぃや! あの熊鑑定してみたらレベル100やったんよ!? どうみてもうちらが敵う相手やあらへん!」

「やってみなくてはわからんだろう。それに、逃げることは私のプライドが許さん。私は一度だって負けたくないのだ。ここで逃げるのは負けるのと同義。私を置いて逃げるがいい」

「……あー、もう知らへんでっ!」


 そういうとキャトラは私を置いて逃げて行ったのだった。

 私は刀を構える。熊はまだ追ってきており、私の目の前で威圧するかのように立ち上がる。


「私とタイマンしようではないか。熊は人間を襲い、人間は熊を狩る。どちらが生き残るか勝負といこうじゃないか」

「グルルルル……」


 私は熊に向かって突撃していった。





主人公、勝負したがりの無謀馬鹿です。

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笑う門には福来る!
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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