霊感
そこで思い出した事がある。
果梨奈先輩、霊感があるんじゃないかって話。
チームの子から聞いた事あるけど、あたし、そういうのダメだからちゃんと聞いてなかったんだよね。
あれ、マジだったのかな。
マジで霊感ある人だったなら、死人が見えるとか悪しき影とか霊的な話も納得出来る。
現王妃様に何か見えたのなら、魔女だというのも本当かもしれない。
「リベルタ様を魔女だと告発するおつもりですか?」
「私が王位を継いで国王となる事にリベルタが納得するのなら、何もしない。今のまま国王と仲良く暮らしていけばいい。だが、ローレンスを王に推してこの国を思いのままにしようとするならば排除するしかない」
確固たる覚悟という雰囲気を持ってヴィンセント皇子はそう強く語った。
「あの……リベルタ様が王妃になられてから、その後は何か、その、被害というか。魔女っぽい事件があったのですか?」
「リベルタとローレンスが贅沢を極めて、グリンデルの財政が逼迫している以外にか?」
「ああ……」
皇子はふっと笑って、
「それはそれで問題ではあるが、魔女だと告発する理由にはならないしな」
と言った。
「お命が!」
とグレイ騎士が口を挟んだ。
「へ?」
「グレイ! 出過ぎた事を言うな!」
皇子が厳しく言い放ち、グレイ騎士は俯いて「申し訳ございません」と言った。
「何、お命って」
「何でもない」
「……ははーん。ヴィンセント様のお命に関わる事件が人知れずあるって事ですか?」
「たいした事ではない」
「ローレンス皇子を第一皇子に推し上げて、国王に就かせたい王妃様の仕業? あなたの命を狙って?」
「それがリベルタの仕業という確証がない」
「ああ、王妃様の魔力で洗脳されてる者が大勢いるとおっしゃってましたものね。食事に毒を入れたり? 呪いをかけたり?」
「マリア、君にそんな心配をさせるつもりはないのだ。ただ、私はともにグリンデルを率いていってくれる后が側にいてくれるだけでいい。それが私の心強さになる。そしてそれが君ならこんなに幸せなことはない」
「もちろん、私はヴィンセント様のお側でお力になれれば嬉しゅうございますわ。そこで一つお願いがありますの」
「お願い?」
「ええ、この部屋にある、カリナ様の品を何かいただけませんか? 何でもいいんです。記念というか……その、お守り代わりに。ダメならいいんですけど……」
「かまわないよ。君の好きな品を持っていくがいい。君の側に置いてくれればきっと母上も喜ばれる」
「ありがとうございます」
「マリア」
「はい?」
ヴィンセント皇子はすごく優しい笑顔であたしを見た。
綺麗な顔だけに、こちらが緊張する。
「君とこんな風に話し合えて良かった。母上の話を出来て、それに結婚する前に胸の内を明かせて良かったと思う」
「私もカリナ様のお話を伺えて嬉しゅうございましたわ」
「別荘地に避暑に行くのも楽しみだ」
「そうですわね」
うふふふふ
あはははは




