表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元ヤンが転生したら悪役令嬢だったんだけど~喧嘩上等!?~  作者: 猫又


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/55

牽制

「熱心ですわねぇ。ヴィンセント様はどうしてマリア様にお勉強などさせるのでしょう?

 皇太子妃に必要な花嫁修業だとも思えませんわ」

 と白薔薇が言ったので、

「それはどうかしら。皇太子妃としてグリンデルの歴史や経済を学ぶが不要な事とは思えません。グリンデルだけではなく、近隣諸国の事も学ぶべき事はたくさんあります。リベルタ様も国王様の妃となられた時に学んだと聞いております」

 とあたしは言ってみた。

 リベルタ様の頬が少しだけ引きつってから、途端に大輪の薔薇のような笑顔を見せたけど、目だけは笑ってなかった。

「まあ、リベルタ様は国王妃ですからそれは当然の事です。けれどマリア様は第一皇子妃となる予定なだけではありませんか。もしかして第一皇子のヴィンセント様が次期国王だとでも思ってらっしゃるのかしら。それは由々しき問題ですわ。マリア様」

 と白薔薇が言った。


 頭、わりーな、こいつ。


「誰が次期国王だなんて事は今、問題ではありません。国王様は現在、お元気でご立派な政をなさってますもの。だからといって、今、私が学んでいる事が必要ないなんてことはありませんわ。グリンデルの歴史や経済などはもっと広く国民にも教えて導いていく必要すら感じますもの。それはとても大切な事だと思います」


「んまあ」

 と白薔薇は言った。


「素晴らしいわ。マリア、あなたのようなしっかりした方が第一皇子妃となれば、きっと皇子の亡き母、カリナ様もお喜びになるでしょう」

 と白薔薇を押さえて、リベルタ様が冷たい声でそう言った。


「ありがとうございます。リベルタ様、私、特にグリンデルの歴史を学ぶのが面白くて仕方ありません。今は二百年前のセントワース事件の箇所をなぞっているところです」


 あたしは書き取りをしていた、分厚い古文書のような冊子の開いたページを指した。

 二百年前、魔女に陥れられた五代くらい前の王様の事件の事だ。


「マリア様! 宮殿でその名を出すのは禁忌ですことよ!」

 震えた声で白薔薇が言った。

「うっかりしておりました。申し訳ございません、リベルタ様」

 あたしはお辞儀をしながらちらりと王妃の顔色をうかがった。

 真っ白だった。

 元より色白で気品のある美しい王妃様。

 翡翠色の瞳が白い肌やブロンドに映える。

 だけど真っ白すぎた。

 

「あの痛ましい事件の事ですね。恐ろしい魔女に国を乗っ取られそうになったとか。本当にそのような事にならなくて良かった。セイジュ国王には魔女に負けず、よく国を守ってくれたと感謝しなければなりませんね」

 とリベルタ様はそう言い、あたしに背中を向けた。

 白薔薇も慌てて王妃の後を追おうとして、ついでにあたしに一瞥してからふんっと顎を突き出してから去って行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ