二.リスタート
一週間ほど経ったある日、
僕は大学の帰り道を真美と真斗と、
そして真美の友人である湊梨花を含め
4人で歩いていた。
すると真斗は大きなあくびをしながら
「この後どっか飯でも行くかあ?」
「あー、ウチと真美この後飲みに行くんだよね、。」
申し訳なさそうに梨花は言った。
「今日は女の子二人で語りまくるんだ!!」
真美は今日が相当楽しみだったんだろう、
いつも以上にテンションが高い。
「えー、まじかよぉ・・・。じゃあ、こっちは慎二と二人だなぁ。」
「あ、今日僕バイト夜中まで入ってるから無理だわ。ごめんなー。」
「・・・なんだよみんなしてさぁー。俺だけ暇人みたいじゃん!!」
真斗を除いた三人は声を上げて笑う。
「また今度みんなで飲もうよ!じゃあ梨花と行ってくるね!慎二はバイト頑張ってね!」
真美は梨花と腕を組みながら楽しそうに歩いて行った。
「俺もバイト行くわ。また明日な真斗。」
「おう!いってら〜」
僕のバイト先は個人経営の普通の居酒屋だ。
シフトの融通も聞いてくれるので、
とてもありがたい。
10時過ぎを回った頃、週末ということもあって賑わっていたお客さんもだんだんと減ってきていた。
「慎二くん、それ終わったらもう上がって良いよ。」
店長は洗い物をしながら僕に言う。
「了解です、お先に失礼しますね。」
今してる仕事を手早く済ませて、スタッフルームに戻り着替えた。
10時半を過ぎた頃、バイト仲間の今岡賢吾と
肌寒い夜を照らす街灯に囲まれながら帰っていた。
「なぁ、見てこれ。この10円玉めちゃくちゃ綺麗だろ。」
賢吾はポケットに入ってた10円玉を見せびらかしながら僕に言った。
「くだらねー、小学生みたいなこと言うな。」
そんなことに興味がない僕は、適当に賢吾をあしらう。
すると賢吾は急に慌てだし、
「やべっ、、、スマホどっかに忘れたかも。」
「忙しいやつだな。どうせ店に置きっぱだろ。」
呆れながら僕は言う。
「ちょっ、電話してみるわ!先行ってて良いぞ!」
近くにあった公衆電話に賢吾は走って行った。
僕のスマホを使って電話をかければ良いものを、
わざわざなんで公衆電話なんて使うのか。
僕には理解できない。
「まぁ、あいつはそういうやつか。」
賢吾が電話をしてる間、帰りの地下鉄の時間を確認していた。
「この時間ならだいぶ余裕あるな。」
今日はバイトが忙しかったからだろうか、
ボーッとしながら、ふらふらと駅に向かって歩いていた。
いつのまにか駅についていたようで、
時間を確認すると乗るはずだった地下鉄の時間を
普通に過ぎてしまっていた。
「いつもなら余裕なのにな・・・。てか、賢吾は何してんだ。」
次の地下鉄を待つために、僕は駅のベンチに座って待っていた。
時間になっても賢吾は来ないため、仕方なく地下鉄に乗り込み慎二は帰った。
「一応後で連絡しとくか。」
地下鉄の中で適度に揺られながら、
慎二は眠ってしまっていた。
次の日、大学の講義が無かった慎二の元に
一本の電話が鳴った。
見たことのない番号だったが、一応出てみると
「私、警視庁捜査一課の河野と申しますが
小川慎二さんの番号でよろしかったでしょうか。」
突然の警察からの電話に驚く僕。
「はい、そうですが・・・。なんでしょうか。」
「昨夜、今岡賢吾さんが亡くなりました。」
僕は言葉を失った。




