夜に霞む
春、朧に霞む月夜
ビルの群れの窓は一つも灯らず
長い影を数多も落とし
これが夢なのか、遠い幼き日の記憶なのか
私には分からない
広いアスファルトの真ん中を歩き、仰ぎ見た
鼓動の音しか聞こえずに
生きているのか死んでいるのか
あなたには届かないのだけれど
あの霞む月のやうに、私の心は明滅し
また、さ迷い続けるでしょう
だからせめてお願いします
あの霞む月のやうに、微笑んでください
たったそれだけで、私は救われるのだから
春、朧に霞む月夜
ビルの群れの窓は一つも灯らず
長い影を数多も落とし
これが夢なのか、遠い幼き日の記憶なのか
私には分からない
ただ、全ては、夜に霞む