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6章
……逝く人の言い伝え、かぁ。
もしかしたら、この部屋にそれについて書かれた本があるかもしれない。そもそも、この部屋は祖父母の読む本が置かれている本棚がある。ちょっと見てみようかな。
その本は、あっけなく見つかった。
本の名前は『言い伝え全集 下』……割とそのまんまのタイトルだ。その本の目次を見ると、一番最初に『逝く人の言い伝え』がきている。早速読んでみようと思い、ページをめくって見たが、そのとき、急に眠気が襲って来た。
生きていたときとの違いは……そう。たまに意識が飛ぶことだった。長い間はこのように動いてはいられない……。
とりあえず枕の下に『言い伝え全集 下』を隠し、なんとか元のように横になった。
その瞬間、意識を失った。