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プロローグ

 僕がその知らせを聴いたのは、暑い夏の日の午後のことだった。


「五木、梅宮さん亡くなって。」


 幼馴染みの梅宮 加奈、僕が密かに想い寄せていた相手。いつでも元気で何も考えていないような能天気なやつだった。


 交通事故らしい。道に飛び出した猫を助けるために飛び込んだなんて、何も考えていない証拠だな。


 ……だけど優しい奴だった。


 その悲しい事件から三年。学校を卒業し真っ当な企業に就職し、平凡な毎日を過ごしている。


 今日はあいつの誕生日で初めてデートした日だ。デートだと思っているのは僕だけかもしれんが。


 僕は想い出の場所に来ている。きれいな夕日が見える丘、地元民も知らない秘密の場所。


 つまり、今やこの場所を知っているのは僕だけということだ。


 そんな場所に人影がひとつ。背丈は高くなく、見た目からは女性であることがうかがえる。


 この場所を見つけるとは素晴らしい、僕は彼女と話したくなった。驚かせないように足音をたてながら少し遠くから話しかけた。


「きれいな夕日はお好きですか?この場所から見る夕日は絶景ですよ。」


 ちょうど夕日がきれいに見える頃だったのでそう話しかけた、彼女は振り替えって僕の方を見た。


 彼女は僕を見ると微笑んだ、まるで僕と出会えて喜んでいるように。


 しかし、僕の表情は驚愕に歪むことになる。


 なぜなら、夕日を背にこちらに微笑む彼女の姿は、三年前にみた唯一愛する女性とまったく同じものだったからだ。


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