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俺、合コンに行ってくるから

筆者本人が合コン未経験のため、勝手な想像で、書いています。

あくまで、いいこともあれば、悪いこともある、という、そんな印象のもとに、書いています。


かなり適当だとは思いますが、気にせず読んで頂ければ、幸いです。

「あ、俺今週の土曜、友達と…合コン、だったかな?行ってくるから」


そう軽く言った涼羽の言葉を聞いて、一瞬何を言われたのか分からなかった翔羽と羽月。

以前よりもさらに美味しく作られている食事を進めるための箸をぽろりと落とし、まるで脳が肉体に指令を送るのをやめてしまったかのように、ぴたりと固まってしまう。


涼羽、そして志郎がそれぞれ、男子のクラスメイトから合コンの誘いを受けたその日の夜。

自宅に帰ってきて、いつも通りの一家の団欒を楽しんでいるところ。

そんなところに、涼羽の無自覚で天然な爆弾発言。


この涼羽に対して、過ぎたほどに過保護で、過ぎたほどに溺愛している父、翔羽と妹、羽月。

そんな二人が、涼羽のそんな言葉を聞かされて、何もないはずがなく、ただただ、そのショックによる肉体の機能停止状態を、継続することとなってしまっている。


「(…え?え?…今、目の前にいるこの可愛い息子は、なんと言った?…)」

「(…え?え?…お兄ちゃん…今、なんて言ったの?…)」


何を言われたのか分からなかった、というよりは、何を言われたのかを認めたくなかった、という方が正しいような翔羽と羽月の思考。


まさか、あの天使のような愛らしさと純粋さを持っている涼羽から、合コンなどという言葉が出てくるなどとは、夢にも思わなかった、というのが、二人の心に大きく浮き上がってきてしまっている。


しかも、その合コンに行く、などという言葉が出てきたということが、なおさら信じられず、ただただ、困惑するのみと、なってしまっている。


もともとが家と学校の往復のみで、他の生徒との交流もつい最近までほぼなかった、孤立した生活を送っていた涼羽。

それゆえに、かなり世間知らずなところもあり、加えて、あまり興味の沸かないことに関しては特に調べることもしてこなかったため、世間の流行や常識に疎いところも、多々ある。


ゆえに、合コンと言う言葉を知らなかったのも当然といえば当然であり、加えて言えば学生らしい遊びに関してほとんど無知に近い状態である、というのも言える。


人生のほとんどを家事に妹の面倒を見ることにと、家族の為に費やしてきたこともあり、学生らしく遊ぶ、という感覚が欠落してしまっているのが、今の涼羽なのである。

もちろん、そんな涼羽の数少ない趣味であるコンピュータ関連は、涼羽にとっては本当に楽しい遊びであると、涼羽本人が自覚できている唯一のものなのではあるが。


ただ、そのコンピュータ関連にしても、自分の作りたいものを作るときは確実に一人遊びの状態であり、今となっては家族含め、人の為にその培ってきた技術を発揮しているため、学生らしい遊びかといわれると、大きくズレている、と言わざるを得ない部分はある。

確かに、そうしてコンピュータで何かを構築している時は本当にゲーム感覚で取り組んでいて、非常に楽しそうに、遊んでいる感覚では、あるのだが。


ゆえに、そんな涼羽の口からまさか合コンなどという言葉が出てくる、そんな日が来るなどとは、父、翔羽も妹、羽月も夢にも思わなかったというのが、本音なのである。


当然、今の可愛い涼羽にいかがわしい情報やスレた情報を与えたくないという翔羽の過保護すぎる思いが、涼羽にそんな情報を目にする機会を与えないようにしてきたのだ。

長い単身赴任を終え、この家に帰ってきたその日から、ずっと。


それゆえに、涼羽の情操教育に決して小さくない影響を及ぼすことになってしまうのだが、翔羽のあまりにも大きすぎる、息子を溺愛する愛情が、そんな涼羽に対する影響のことなど、まるで見えなくさせてしまっている。


妹である羽月にしても、涼羽よりもクラスの生徒と接触し、いろいろな世間話に興じることもあって、実際には兄である涼羽よりも、世間一般からズレてはおらず、それなりに世間の流行などの話題にもついていけるくらいには、なっている。


そのため、しっかり者のイメージが強い涼羽なのだが、実際にこの家ではその涼羽が一番世間知らずで、箱入りで育てられている、という状態に、なってしまっている。


これまでの涼羽は、ひたすら周囲を拒絶して孤立してしまっていたため、そういった世間的な話題に触れる機会が本当になかったのだが、今となっては学校では一、二を争うほどの人気者となってしまっており、そんな涼羽と関わりたい、という人間が数多くいるため、自ずとそういった世間一般な話題に触れる機会も多くなってしまう。


そして、もともと好奇心は強く、年齢を重ねるごとに強くなっていく知識欲。

それらが、今の涼羽にとって今の自分を取り巻く状況はまさに渡りに船、といった感じで、様々な生の情報を手に入れられるということが、本当に楽しく思えている。


「(くそ!!どこのどいつだ!?俺の可愛い涼羽にそんなことを吹き込みやがったやつは!!)」

「(もう!!なんでこんな天使みたいなお兄ちゃんに、そんな余計なこと教えたりするの!?)」


しかし、いつまでも今の天使のような純真無垢なままでいて欲しいという思いが強い翔羽と羽月の二人は、涼羽のそんな変化に対していい感情を持つことができず、涼羽にそんなことを教えた人間に対して、理不尽な怒りを抱いたりしてしまっている。


とはいえ、涼羽本人は合コンについては、ただ単に男女が揃って遊びに行く、という程度の認識しか持っていないため、特に何も変わることはなく、今まで通りの性格なのだが。


「?ど、どうしたの?お父さんに、羽月…俺、何か変なこと、言った?」


自分の何気ない言葉にいきなり硬直し、箸を落としてしまっている父と妹の様子がおかしいと思い、戸惑いながらも、問いかけの言葉を声にする涼羽。


涼羽からすれば、ちょっとクラスの友達と遊びに行く、というくらいの感覚で言った言葉だったのだが…

父と妹の二人は、何か変な風に捉えてしまったのかも知れないと、さすがに思ってしまっている。


合コンが別に悪いことではないのだが、涼羽がそこに行ってしまう、ということが翔羽と羽月にとっては許せないこととなってしまっていることに、涼羽が気づくことなど、あるわけもなかった。


そして、そんな涼羽の問いかけの言葉に、翔羽と羽月の二人がようやく再起動を果たすこととなる。


「りょ、涼羽!!」

「お、お兄ちゃん!!」


突然、座っていたその場から立ち上がり、この状況を作り出した本人である涼羽のところへとすごい勢いで近寄ると、まるで事情聴取で追い込みをかけるかのような迫力と勢いで、涼羽に詰め寄ってしまう。


「!!な、なに?」


そんな父と妹のただならぬ様子に、驚きと戸惑いを隠せず、一体なんなんだろうと思いながらも、どうにか反応を返す。


「ちょ、ちょっとお父さん、お前がなんて言ってたのか、よく聞こえなかったんだ」

「そ、そうなの。お兄ちゃん。だから、もう一回、言ってもらっても、いい?」


涼羽が言った、合コンという言葉をよほど認識したくなかったのか…

いや、まさか俺の息子がそんなこと…

ううん、わたしのお兄ちゃんがまさか、そんなこと…

などという思いをそれぞれ抱きながら、涼羽が最初に言ったことを確認したくて、もう一度聞かせて欲しいという意思を、言葉にする。


「え?」

「ほ、ほら…今週の、土曜だったかな?」

「そうそう…土曜に、どこに行くのかな?っていうのが、よく聞こえなくって…」

「あ、そ、そうなの?」

「そ、そうなんだよ、涼羽」

「う、うん、お兄ちゃん」

「そうなんだ…じゃあもう一回、言うね?」

「あ、ああ」

「う、うん」

「俺、今週の土曜、合コン…だったかな?それに行ってくるから」


何かの間違いであってほしい、ただの聞き間違いであってほしい…

そう願っていた翔羽と羽月の二人の思いを無慈悲に打ち砕く、涼羽の言葉。

それを息子の可愛い声で音として響かされた。


そして、それを耳にして、やはり聞き間違いではなかった、という現実を突きつけられることとなり、言いようのない憤りが、父、翔羽と妹、羽月の二人の心に芽生え、急速に膨れ上がっていってしまう。


「(く…やはり聞き間違いではなかったのか…くそ!!)」

「(や、やっぱり聞き間違いじゃなかったんだ…もう!!)」


しかし、そんな憤りを目の前にいる涼羽にぶつけるわけにもいかず、一旦はそれを抑え込み、改めて涼羽に事情聴取をしていこうと、問いかけの言葉を発していくことにする。


「あ~、涼羽…お父さん、その件に関して聞きたいことがあるんだが、いいか?」

「お兄ちゃん…わたしも、聞きたいことあるけど、いい?」

「?う、うん」

「その、合コンなんだが、誰かから誘われたのか?」

「うん、そうだよ。クラスメイトの男子が、誘ってくれたの」

「そ、そうか」

「もしかして、合コンって言葉、その時に聞いたの?」

「うん。でも合コンって、初めて聞いたから、俺、一体どういうものなのか全然分からなくって…だから、俺を誘ってくれた男子達に、思わず聞いちゃったんだ」

「で、で?その男子達は、涼羽の質問に対して、なんと答えてきたんだ?」

「なんて答えてきたの?」

「え?なんか、男子と女子が同じ人数で揃って、一緒に遊びに行くことだって…言ってた」

「そ、そうか」

「それ以外は?他には、どんな風に言ってたの?お兄ちゃん?」

「え?後は、そうやって、男子と女子がお互いに仲良くなっていくイベントだって言ってたかな?」

「そ、それだけか?」

「え?う、うん。それだけだよ?」

「そ、そうか」

「うん」


父、翔羽はもともと今は亡き最愛の妻、水月一筋だったため、周囲のことなどまるで気にもしないまま、水月との恋愛を楽しんでいたのだが…

当時から成績優秀、容姿端麗、運動神経抜群といった、完璧超人を地で行く翔羽に対し、合コンの誘いなどが絶えなかったのだ。

人数合わせで、という名目がほとんどだったのだが、それは建前であり、実際には、女子側の要求として、高宮 翔羽をその場に参加させること、という条件を突きつけられて、という事情からがほとんどだったのだ。


当然、水月以外の異性に興味も何もない翔羽がそんな誘いに首を縦に振るはずもなく、ひたすらに断り続けていたのだが、どうしても必要なんだ、という必死の誘いにどうしても断りきれず、しぶしぶ水月には内緒で人数合わせとして参加することが、一度だけあったのだ。

だが、実際に行ってみると、どういうわけか決めた相手がいることを特に隠さずにしている翔羽であるにも関わらず、まるでそんなこと関係ないと言わんばかりにその場の女子達がこぞって言い寄ってきたり、そんな中で女子側の醜い争いを見てしまったり、さらには誘いをかけてきた男子側からも僻みややっかみの感情を向けられたりなどと、まるでいい思い出がなかったのだ。


加えて、そんなことが水月の方でも行なわれていた、などということを知り、しかも水月もその時の女子側の僻み、ねたみ、やっかみの感情を向けられ続け、さらには翔羽一筋であるはずの自分にこぞって言い寄ってくる男子達が怖くて怖くてたまらなかった、とまで言っていたのだ。


それ以降、翔羽は金輪際合コンの誘いには首を縦に振ることはなくなり、さらには水月の方に来た誘いも、水月本人から聞きだして、わざわざ水月の代わりに断りの連絡を入れるほどになってしまった。


ゆえに、翔羽は合コンと言う、それそのものに対して非常に悪印象を抱いてしまっており、それが最愛の妻の忘れ形見であり、最愛の息子である涼羽に誘いの言葉がかかってしまったことに、非常に危機感を覚えてしまっている。


自分や水月のような思いを、この最愛の息子である涼羽にまでさせたくない。

こんなにも可愛くてたまらない息子なのだから、男子からも女子からも狙われてしまうだろう。

そうなると、天然でおっとりとしている涼羽では、まともな対処などできるはずもなく、いい思い出になど、なるはずもない。


そんな思いが翔羽の中で大きく占めてしまっていて、どうしても涼羽を合コンに参加させるなど、許せなくなってしまっている。


「で、でも…お兄ちゃんはなんで、その合コンに参加しようと思ったの?」


そして、ここで羽月が抱いた疑問を兄、涼羽にぶつける。


いつもいつも、アルバイトに一生懸命に取り組みながらも、この家の為にどこかで遊ぶこともせず、家事全般に、妹である自分の面倒を見ることに自分の時間を費やしてくれている兄、涼羽。


自分の遊びなどにはまるで関心も興味も持たず、ただひたすら家族である自分や父のために、アルバイトではただひたすら、園児やその職場の職員のためにと、本当に誰かのために動き続けている兄、涼羽。


そんな兄が、今までで初めて、遊びに行くということを言ってきたのが、本当に意外に思えて、どうしてもこの疑問をぶつけずにはいられなくなってしまった。


「そ、そういえばそうだな…涼羽、なんでその合コンに参加しようと思ったんだ?」


その点に関しては、父、翔羽も同意見だったようで、羽月と同じ疑問を、自分からも涼羽に問いかける。


「え?」

「い、いや…遊びにいくな、と言ってるわけじゃない…むしろそういうのは嬉しいくらいなんだが…」

「そ、そうそう…お兄ちゃんがお友達と遊びに行くのって、全然悪いなんて思わないけど…」

「??」

「で、でも、本当に珍しいな、と思ってな」

「いつも、私達のために早く帰ってきてくれて、家事全部してくれてるから、すっごく珍しいって思っちゃって」

「………」

「何か、理由でもあるのか?例えば、お前がいないと、人数が足りないとかなんとか」

「そうそう、お兄ちゃんが行かないと、その合コン自体ができなくなっちゃう、とか」


そういう風に、涼羽のクラスメイトが言ってきたのなら、分からない話でもない。

涼羽は、そういう自分が必要だという声をむげにすることができない性格だから。

それをむげにすることで、その人達に迷惑がかかったり、困ったりすることが本当に耐えられない性格だから。


だが、それならそれで、余計な下心のある誘いであると思い、なおさら涼羽をそんなところに行かせるわけにはいかない、と思ってしまうのだが。


「…ううん、そんなことはないよ」

「!?じゃあ、なんで…」

「…だって、いつもいつも忙しくて大変そうな俺に、ちょっとした気分転換をしてほしいって、言われちゃって…」

「!!」

「!!」

「いつも勉強で分からないところを教えてもらってるから、ちょっとしたお返しのつもりだって、言われちゃって…」

「………」

「………」

「それに、みんな本当に俺を楽しませようと思ってくれてるのが、なんだか嫌っていうくらいに感じ取れて、本当に俺の為にしてくれてることなんだって、分かっちゃって…」

「涼羽…」

「お兄ちゃん…」

「だから、せっかくそんな風に言ってくれてるのに、俺が行かないのって、みんなに悪いって思っちゃって…」


涼羽から返ってきた、自分達の疑問に対する答えは、本当に涼羽らしいものであり、そして、自分達が思っていた以上に涼羽が周囲に愛されているということを、知らされるものであった。


確かに、家族である自分達を本当に足元から支えてくれて、さらには保育士のアルバイトまでこなして…

さらには、そのアルバイト先でも、そこになくてはならない存在として、日々人三倍は業務に励んでいて…

自分達が涼羽に依存しっぱなしのせいで、涼羽が学生らしく遊びにいくこともできずにいるのは、前から分かっていることなのに…


そんな涼羽のための気分転換の場として、涼羽を誘ってくれたというのなら…

しかも、涼羽を楽しませようと、本当にそんな純粋な思いで声をかけてくれていたのなら…

その言葉をむげにできる涼羽であるはずもないことなど、嫌と言うほどに知っているのだから。


それに、そうして自分達が涼羽を箱入りにしてしまっているせいで、涼羽が世間一般の流行や常識に疎いということもあるのだから。

それなら、まだ不安要素はあるものの、ここは涼羽の好きにさせてみるのも、必要かも知れないと、思うことができるようになってきた翔羽と羽月なので、あった。


「…そうか、ごめんな、涼羽」

「…ごめんね、お兄ちゃん」

「!?え?ど、どうしたの?二人共、いきなり…」

「俺達が普段から家のこと、全部お前にまかせっきりだから、お前が遊びに行きたくても行けないんだから」

「わたし達がもっともっとお兄ちゃんのこと、楽にさせてあげられたら、お兄ちゃんももっと遊びにいけるのに、本当にごめんね?」

「!な、何言ってるの?二人共、俺は自分がしたくてしてるんだから…」

「それでもだよ、涼羽」

「そうだよ、お兄ちゃん」

「!お父さん、羽月…」

「お前がどれだけいろんなことで頑張って、忙しい日々を送っているのか、十分に分かっているつもりだったんだがな…」

「お兄ちゃんがどんなに忙しくて、どんなに頑張ってるか、知ってるつもりだったのに…なのに、ちょっと遊びに行くってだけなのに、こんなに嫌な思いになっちゃって…」

「二人共…」

「ごめんな、頼りないお父さんで」

「ごめんね、頼りない妹で」


いつもいつも、家のことで常に負担をかけっぱなしであると、そして、涼羽が常に遊びにも行けない状況を、自分達が作ってしまっていると、そう思えてならなくなってしまった二人。

そのことがいたたまれなくなってしまい、涼羽に対して謝罪の言葉を贈ることしかできなくなってしまっていた。


そして、そんな涼羽のことを見て、そんな風に誘いの言葉をかけてくれたなんて、それもまた、嬉しいと同時に、変に勘ぐって嫌な感情を向けてしまったことが申し訳なくなってしまっている。


「うん、友達がせっかくそんな風に言ってくれてるんだ」

「たまには、遊んできて。お兄ちゃん」

「お父さん、羽月…」


父、翔羽と妹、羽月が笑顔でそんな風に言ってくれて、涼羽の顔にも笑顔が浮かんでくる。


「ただし、これだけは約束してくれ」

「?なあに?」

「もし、何かトラブルがあったら、すぐにお父さんに連絡をしてくること」

「そう、そうだよ!お兄ちゃん!」

「う、うん」

「そんな風に言ってくれる友達の誘いだから、心配はないと思うが…それでも、万が一のことがあったら困るからな」

「お兄ちゃん、そういうところ行くの、初めてだし」

「………」

「だから、本当に何かあったら、すぐにお父さんに連絡してくれ、な?」

「…うん、分かった!」


もう本当に涼羽のことが可愛くて可愛くてたまらない父、翔羽と妹、羽月。

本当に二人共、涼羽のことを溺愛しているからこそ、こんな風に過保護になってしまう。


そんな風に自分のことをいつも気にかけて、心配してくれている家族のことが本当に有難く思えて…

父、翔羽が言ってくる条件にも、笑顔で二つ返事で了承することのできた涼羽なので、あった。

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