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乙女ゲームの攻略対象から逃げてるのに子育てする事になったでござる

作者: 冬鬼

ちょっといきぬき、短いです。

「まぁま‥」


「まま!」


「ノウ、私、ママ違う。」


帰ってきたら玄関先で二人の子供達が私のことをママと呼んできたでござる。


私は死亡フラグびんびんな転生者モブとでも言っておこうか。


なんと、私は乙女ゲームの世界にいるらしい。真面目に生きてきた私にはこれから起こる乙女ゲームの舞台である高校に行くのは勘弁していただきたい。

高校で私はイケイケギャルにならなければいけなくて、そして‥‥誰でも誘っちゃう男好きなギャルにならなければいけない、ギャルになることを強いられているんだ‥‥!


だが私には股下10㎝なんて短いスカートはきたくないです、乙女の禁断の花園、神聖なるおぱんつをホイホイ見せてたまるか!


私はどんどん高校デビューして髪を染める友人達の誘いを断り、髪を染めず、スカートは膝下10㎝。靴下?いいえ、完璧防御なタイツにします!

そうして高校に入学した私は、気の合う友達をつくってのんびりほのぼのと高校生活を過ごしていた。‥いたんだよ、季節はずれの転校生がくるまではな!


「‥し、白木彩乃です、仲良くしてください‥!」


私好みの可愛い顔立ち、おどおどした可愛い雰囲気、まさに小動物!そして守ってあげたくなる、儚げなほわほわオーラ‥ド、ストライク。


私は早々にこの子と友達になることを決めた。だが、どうやら悪役の私と純真無垢な主人公とではやはり相性が悪いらしい‥おお、神よ、何故こんなにも不幸が重なるんですかねぇぇえ‥!


例えば、あれは階段でのことだった。私がそこそこ仲良くなったとき、移動教室で一緒に移動していたときのことだ。彩乃ちゃんが手すりに手をかけようとしたら空振りし、落ちそうになったとき、慌てて私はその手をつかんだ。


「だ、大丈夫彩乃ちゃん?」


「う、うん、大丈夫。‥ほぁーびっくりしたー‥ありがとう花ちゃん。」


にこにこ笑う彩乃ちゃんマジ天使。彩乃ちゃんが体制を立て直したところで手を離すと、第二の悲劇がやってきた。‥何故かゴミ箱が飛んできたのである。それが彩乃ちゃんの頭に当たり、ふらりとよろめく。落ちそうになったとき、私の頭にゴミ箱がすっぽりと被さった。‥当然何も見えなくなるわけで、私もそのまま落ちてしまった。


かなりの衝撃を体で受け止め、急いでゴミ箱を取ると横にはきゅう、となってしまった彩乃ちゃんが‥!


「彩乃ちゃん?!返事をして!」


「‥う、ふふふ~‥ひ、ひよこさんがぴよぴよ‥‥」


「し、しっかりしろ彩乃ちゃーーーーん!!」


その後も同じようなことが何度かあったのだ。その間に彩乃ちゃんが攻略対象と仲良くなっているのは当然のことのようで‥何故か私達に降りかかる不幸をすべて私のせいにされてしまい、攻略対象に睨まれてしまった。


何かされる前に逃げざるをえなかった。


運がいいのか悪いのか、私は親の都合で引っ越すことになり、転校することになった。


「彩乃ちゃん‥二年間だけど、楽しかったよ、私は彼等から逃げなければならない、彩乃ちゃん!すべては彩乃ちゃんを愛するがため‥‥!こんな私を許してくれ!」


「は、花ちゃん!嫌だよ!みんなのことなんて気にしないで!ずっと私のそばにいてよ‥!」


わざとらしく天を仰ぐ仕草をすると目に涙を浮かべる彩乃ちゃん。超可愛い。そのセリフも百点満点です、彩乃ちゃんが望むなら死を分かつまでお供しましょうとも‥‥!おっと、違う、私は彩乃ちゃんから離れなければ!


「彩乃ちゃん、君の気持ちはわかっているつもりだ。だが私はどこへ行っても、君のことは忘れない‥君が私のことを忘れても‥‥!あぁ、電車が行ってしまう。またあおう、彩乃ちゃん!」


「花ちゃん!私、花ちゃんのこと絶対忘れないから!連絡もするから!‥遊びにも行くからね!」


電車に乗って、ずっと手を振る彩乃ちゃんに私も手を振り返す。いやぁ、彩乃ちゃんいい子だなぁ‥あんなヤンデレ予備軍どもに渡すには勿体ない。むしろ私が嫁に貰ってしまおうか。


「花ちゃん‥格好良かったな‥私、頑張るから!」


電車を最後まで見送った彩乃ちゃんが、私にほのかな、恋心に近い感情を私に抱いてるなんて知らず、箱入りのお嬢様だったので男女でなければ結婚出来ないことを知らず、花嫁修行を始めていて、本気で私に嫁入りしようとしていた事なんて、私は当然知らないのである。




これが私が攻略対象から逃げる理由だ。どうしても報復しないと気が済まないらしく、今でもたまにやってきて嫌がらせをしていく。高校三年にもなってだ。だが来るのは土日と祝日の日ぐらいなのでそんなに迷惑はしない、彩乃ちゃんはいつきても大歓迎だよ!


「ママー?だっこ、だっこ!」


おっと、そういえばこの子達がいたんだった。何なんだろうこの子達は‥‥二人いる子達の中で、一番小さな子が首から手紙を下げていた。


果てしなく嫌な予感しかしない。


『 可愛い娘、花ちゃんへ。

突然びっくりした?したよね?ねー?さて、その子達はなんと、花ちゃんの弟たちでーす!ほんとは一緒に育てるべきなんだけど、いろんな所に飛び回ってるから、連れ回すのは良くないなぁと思って‥おばあちゃんちに預けてたのよ。ちょうど良いから、今から子育てでもしときなさい。みんなトイレは出来るわよ、一応!乳離れがまだなのよね、ある程度のものは食べられるけど、一応離乳食も用意してあるからね、それじゃ、バーイ。ママ、パパと一緒に愛の逃避行に出かけるね!しばらく帰ってこないかも?』


‥へー私に兄弟いたのかーそーなのかー‥


どうしよう‥一応、ミルクとか、おむつとかは大丈夫なのかな‥‥でもまだ心配だよね、おむつ玄関に用意してあるし‥。


膝に抱きついている五歳くらいの男の子を見つめる。目がくりくりしてて超可愛い。ショタ、ロリコン?ハハッ大好物ですがなにか?ちっちゃいは正義、かわいいは正義、あざといのも正義なのさ!


「ママ、おかえりー。」


へにゃって笑う多分一番上の子。お名前なんていうのかなうへへへへ。

心の中で渦巻く邪な欲望を全身全霊で押さえ込んでみんなを家の中に入れる。


家の中でソファーに座る私をじいっと見つめる四つのくりくりおめめ。きゃーわーいーいー。


一番上の子は、猫目でやんちゃな子に見える。私のことはまぁまぁ好意を持ってくれているようで抱きつこうとしてくる。今だってうずうずとしているようだ。


二番目の子は‥多分四歳ぐらい?少し無愛想みたいでそっぽを向いている。ちらちらこちらを見てくるけど、目があうことはない。四歳でツンデレの予感です美味しいです。


「えーと、こんにちはー私はお姉ちゃんの花です。お名前なんですかー?」


でれっでれの顔だったと思う。ちいさいこ大好きな私には最高のご褒美、ストライクゾーンは二歳から五歳です。あえて言いましょう、私が好きなのは少女じゃなく幼女!幼女がドストライク!ちなみに私は変態じゃないです。


斎藤誠(さいとうまこと)っ!五歳です!」


「‥さいとうたかじ、よんさい。」


二人とも、もみじみたいなふくふくのおててで数を示してくれたかーわーいーいー、食べちゃいたい。食べてもいいよね?ゴーサインですよね?‥こんな姉の姿、弟たちには見せないようにしなければ。


「そっかーよろしくね、お姉ちゃんだよー」


デレデレの顔で二人をこちらに呼び寄せる。おいでーかわいいなー囲まれたら天国だよなー将来絶対保育園につとめるんだ‥!


二人のお尻とかほっぺを堪能した後、ご飯を食べさせることにした。二人はおもちゃを持ってきていたし、そんなに暇する事はないと思う。あと、お母さんの手紙に好き嫌いとか書いてあったから、二人の好き嫌いなど、いろいろ書いてあった。これは助かる。


その手紙に野菜をとろとろに煮込んでいると、突然インターホンがなった。誰だろう?出て行こうとすると、すでに誠くんが出て行ってしまっていた。


急いでドアの所に行くと、すでにドアは開けられてしまった。


「どちらさまですかっ?」


「勝手に出ちゃだめだよ誠くん、えっと、何かご用ですか‥‥」


ぽかん、とこちらを見るのは確か攻略対象の子だ。なんだ、また何か言い付けられて変な贈り物しにきたのか。

そういえば、今日平日なのにどうしてだろう。


「‥‥お、おまえ、子供、いたのかよ‥‥」


「あー、うん。いたんだよねーびっくりしたでしょ?」


ぷるぷる若干震えながらこちらを見るチャラ担当の攻略対象。見た目はこんなだが根は真面目だ、確か見た目だけによってくる女達に失望して悩んでる奴だった気がする。


攻略対象から逃げているのは確かだが、何故かあまり嫌がらせをしてくる様子がないので、そのまま放置している。まぁ、良い茶飲み友達だ。


思考をキャラブックに飛ばしていると、ガシッと肩をつかんできた‥えっと、なんだっけ、皐月?だったっけな?


「誰の子だよ、相手は?そのガキの父親は?」


「え、お父さんだよ。」


お父さんなのは当たり前だ、なんたってこのエンジェル達は私の弟たちなのだから。


それを聞くとチャラ担当は顔を青ざめさせて、きんしんそうかん‥‥だめぜったい、と呟いていた。しばらくぶつぶつ呟いていたが、顔をばっとあげて勢いよくしゃべり出す。


「俺は、今までたくさん遊んできた。それに、たくさん迷惑をかけてきた。」


うん、知ってる。保健室のお姉さんとも関係持ってたの知ってた。


「この頃、何をやっても冷めてた俺は、暖かくてほわほわしたお前のそばにいたいって思ったんだ。だから、今までの女切ってきた。」


‥‥そーなのかー。じゃない、おかしいな、なんだこの流れ、なんなんだろう。なんで女の子と遊ぶのやめなくちゃいけないのかな、私は困らないからいいんだけど‥女の子の同意さえ取ってれば。


スマートフォンの通話履歴、電話帳を見せてきて、なにもないですよアピールをしてきた。いやそんなことされても私は困るんですが。

そして、もじもじ、体をくねらせる。イケメンでもちょっとそれはないと思う。


「そ、それで、だな。‥‥お、お、俺のために毎朝味噌汁を作ってくれないか!お前が親父さんを愛しててもいいんだ、必ず俺のこと認めてもらうから‥‥!」


「あげないっ」


足に抱きついてきっ、とチャラ担当を睨み付ける誠くん‥超天使、知ってた。誠くんいわく、毎朝お味噌汁を作るのは私じゃなくてもいいから、私がチャラ担当にお味噌汁を作るのは駄目らしい。そして誠くんに毎日僕にホットケーキを焼いて?と可愛すぎるお願いをされた。断る理由がない。


とりあえずチャラ担当はお腹が空いていたのだと思う。ご飯をご馳走してお引き取り願った‥最後にまたくると言われてしまったので今度はお味噌汁を用意した方がいいのだろうか。



そんなことがあった昨日。そして、朝。玄関を開けるとそこにはー‥


「おはよう、毎日俺のパンツを洗ってくれ。」


「あっちいけへんたい!」


たかじくんが相手に向かってほえる。


その方向には派手な紙色をしたお兄さん‥攻略対象の不良担当が迷彩柄の中にピンクのハートが混ざったボクサーパンツを握ってたっていた。




あれ、これってデジャヴ‥‥‥?

‥つづくといいなぁ‥

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― 新着の感想 ―
[一言] めっちゃ面白かった!! 続きを期待します! 出来れば連載してほしいです。
[一言] ちょっこれ連載しません?
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