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摩訶不思議  作者: シエラ
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大仏様の手に載せるもの

翡翠ひすい。どんな石か皆さん知っていますか?

仏像にもいろいろありますが、奈良の大仏様の姿・・・何か手をさしのべていて、下さいって言っているように思いませんか。




1000年以上も昔のお話しです。



宮中では大騒ぎが起こっていました。

一体何が起きたのでしょう・・・・・・・。


実は宮中の大事なお宝の三種の神器のうちのアガタマが無くなってしまって大騒ぎをしていたのでした。


アガタマは翡翠であしらえてあったもので三種の中でも大事な大事なものでした。


宮中の方々は皆泣いておりました。


このままではこれまでの社のパワーが皆失われてしまいます。

宮中を始め、この国をお守りするなにものもなくなってしまうのではないかと不安でたまりません。


1ヶ月、2ヶ月とアガタマがない日々が続いたある日のことでした。

使いの者より知らせが入りました。

唐の国で翡翠の原石が発見されたという知らせと、

日本の越中あるいは越後の海岸より、同じく翡翠の原石が発見されているということでした。


使いの者は唐の国と日本の越後越中へと向かいました。


唐の国では翡翠は容易く手に入りました。

越中越後では見つけることは出来ませんでした。


しかしこの一大事、唐の国からでも見つかれば宜しいとその翡翠でアガタマを作ってみたものの・・・三種の神器としてのパワーは生まれませんでした。


そこでやんちゃなお姫様が私が越中越後へ参って探してきますと京を飛び出しました。


お付きの者も慌てて馬を走らせました。


数日後越後に着いたお姫様は海岸で幾つかの翡翠を見つけることが出来ました。

けれどとても小さなものでした。

その夜、お姫様はあるお寺で一生懸命あるお経を詠んで頂きました。

するとその後、越中の海岸では手のひらに一つが載るくらいの大きな翡翠も幾つか見つけることが出来ました。


急いで宮中に帰ったお姫様は、その翡翠を原石のままお社へ上げました。

するとどうでしょう。

翡翠はアガタマであったときと同じように、大きな力を発揮し出しました。



唐の翡翠は軟玉と呼ばれる種類のもので、越中越後のものは硬玉と呼ばれるものでした。

同じ翡翠でも種類の違うものはパワーを発することはないのでした。

お姫様は宮中の力を取り戻すことが出来て安堵しました。



しかし、お姫様が大きな翡翠を見つけられたのも、あの時のお寺でのお経の力かもしれません。


お寺へのご恩を忘れてはいけません。

お母様がそうおっしゃいました。



お姫様はまた宮中を飛び出しました。

お姫様ゆかりのお寺に、海岸で拾った幾つかのうちの一つの翡翠を持って行きました。

お坊様はありがたやとそのパワーにあふれた翡翠を受け取りました。


お社に宿った翡翠のパワーをこの大仏様にも差し上げたいと、お姫様は心より願いました。

すると翡翠を持ったお坊様の大事なお数珠にパワーが入りました。

輝くばかりのお力です。

まるで大仏様の手が温もりいっぱいに輝いているようでした。


その時に持っていたお坊様のお数珠は水晶でした。


大仏様の手のひらいっぱいに神聖な温もりが広がりました。


お坊様もお姫様もこの神聖な輝きが、宮中そしてお国全体をお守りして頂けるようにお祈りしました。



この神聖な温もりが続きますように。

代々に・・・・・・いついつまでも。


おしまい



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