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転生王子、あべこべ貞操逆転世界で不良美少女に狙われる  作者: CXT


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8/10

黒瀬玲央の、ちょっと騒がしい休日



休日の朝。

アラームなしで起きるだけで幸福度が上がるのは、転生前から変わらないらしい。


ベッドの上で伸びをしつつ、玲央はぼそっとつぶやいた。


「……よし、今日は誰にも会わずに静かに過ごす」


そう、今日は完全オフだ。

絢もいない。

セレナもいない。

男子達からの“過剰なアプローチ”もない。

最高の休日のはずだった。


……だったのだが。


◆ 1. 街へ、のんびり買い物へ


玲央はお気に入りの喫茶店へ向かい、

コーヒーを飲んで読書でもしようと思っていた。


「……あれ、黒瀬じゃね?」


後ろから聞き覚えのある声がした。


振り返ると、

クラスの男子二人がこちらを見て目を輝かせていた。


「今日暇?よかったら一緒に――」


「ごめん、今日は一人でゆっくりしたいんだ」


玲央が微笑んでそう言うと、

二人はなぜか 撃ち抜かれたような表情 になった。


「っ……! 黒瀬……かっこよすぎ……!」


「こういう断り方する男子、どこにいんの……!」


逃げるように立ち去る玲央。


(なんで断るだけでモテエフェクトになるんだよ……!)


転生後の世界は、やっぱり生きづらい。



◆ 2. 喫茶店での静寂


やっと喫茶店に入り、

席に座ってカフェオレを頼む。


(いい……こういうのだよ……)


心がほどけていくのを感じたその瞬間。


カラン、と扉の音。

入ってきたのは――


絢。


玲央はコーヒーをこぼしそうになった。


(なんで……なんで今日に限って……!)


絢は玲央を見つけると、

「……あ、」とほんの少し目を丸くしたが、

すぐにクール面を取り戻す。


トコトコと近づいて、

無言で隣に座る。


「……ここ、空いてたから」


「いや、他にも空いてたよね?」


「……たまたま。別に、あんたと一緒にいたいとかじゃないし」



(うわっ……いきなり隣とかキモイかな……心臓死ぬ……)


玲央は笑ってしまう。


休日の静寂は、すでに消えた。


だが――嫌ではない。



◆ 3. さらに騒がしくなる予感


二人でカップを傾けていると、

喫茶店の扉が再び開いた。


「あれ?玲央?……に神宮寺」


落ち着いた低い声。

青い長髪が揺れる。


セレナ。


玲央はテーブルに頭をぶつけそうになる。


「奇遇だね。まさか、二人きりで……デート?」


「デ、デートじゃない!!」


珍しく絢が即答で否定し、

セレナがくすっと笑う。


休日の静かな時間?

そんなものは最初から存在しなかった。


玲央はため息をつく。


(……まあ、これが今のオレの“普通の休日”なんだろうな)


カップを口に運びながら、

悪くないな、と思っていた。


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