表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生王子、あべこべ貞操逆転世界で不良美少女に狙われる  作者: CXT


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/10

第6話「青き王女からの誘い一君の選択」

放課後。

 玲央は校門の前でぼんやりと夕日を眺めていた。

 すると、セレナが颯爽と現れた。


 「来た。」


 彼女の言葉と共に、胸の奥が静かに高鳴る。


 「ちょっと先に、“校舎裏の彫刻庭園”へ――君を案内したくてさ」


 彫刻庭園――この学校の古い校舎の裏に、小さな石の彫像がたくさん並ぶ静かな場所がある。

 人が少なく、夕暮れ時はとても雰囲気がある。


 玲央は少しためらったが、好奇心が勝った。


 「いいけど……誰か来たらまずいだろ」


 「大丈夫。僕がいるから――」


 そう言って、セレナはふと軽くウィンクした。

 彫刻庭園。

 西日に照らされて、石像が影を長く落としている。


 セレナがゆっくり歩きながら言った。


 「昔さ、君と同じクラスだった時──

  黒瀬は、いつも遠くを見ていた。

  静かで、目立たない。でも、どこか光があった」


 その言葉に、玲央は少しだけ視線をそらす。


 「覚えてたのか……?」


 セレナは笑った。

 そして――


 「当然だよ。僕は、美を見る目があるから」


 その瞬間、セレナの顔が、王子様ではなく――ただの少女に戻った。


 ――それが、なぜか妙に切なかった。


 「……あのさ。俺、前みたいに“普通”でいたいだけなんだ」

 「だから、あんま関わらないでくれ」


 その言葉を聞くと、セレナの瞳が一瞬だけ滲んだ。

 だがすぐに、柔らかな笑みを浮かべて言った。


 「わかった。でも覚えておいて。

  君が“普通”でいられるなら――それもまた、美しいと思う。


  だけど、僕は君を“普通”にしておくのは寂しいと思う――。

  だから、いつか選んでよ。

もし君が“普通でいたい”なら、私は引くよ。  でも……もし迷ってるなら、私を選んで欲しい な。 私と一緒にいれば、君をもっと輝かせられるから。

考えておいてね。」


怜央は黙ったままだった。

(輝くとか分かんねーよ。俺はこれからも普通でいたいし)



夕暮れの空を背景に、校舎の影。

 その中に、絢の姿があった。


 彼女は遠くから、セレナと玲央の二人を見つめていた。

 その表情は――怒りでも嫉妬でもなく、静かな決意を秘めていた。


(……ふん。覚えておけよ。あんたなんかに、絶対――玲央、渡さねぇからな)


 小さくそう呟き、絢は夕暮れの校舎を背に、姿を消した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ