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「豪快! 両国夢想」第6話「神なるもの」その23

「巨大人型兵器だと…」

さすがのパーシングも一瞬たじろいだものの、

すぐに気を取り直すと、

「大きければ、

その分動きは鈍くなるものだっ!」

と言い放つと同時大地を蹴って猛スピードで萌に肉薄してくる。

その動きを封じるように、

鉄観音が回し蹴りを放った。

パーシングにヒットしたかに見えたが、

間一髪身を捻ってかわしたパーシングだが

その反動で動きがままならず、

軍用ブーツをスリップさせながら湖岸ギリギリのところで止まった。

「くっ…」

「象のIPS細胞とカーボンナノチューブを

融合させて作った鉄観音の人工筋肉!

その反応速度は

テニスプレイヤーのそれを越えていますっ!

パーシング元帥、観念して投降するのです!」

それを聞いて不敵に笑ったパーシングは、

「我が軍に投降などという概念はない!

ただ神の御心のままに前進あるのみだ!」

と絶叫ぶと再び萌に向かって突進してくるが、

横合いから逸鬼が牽制するように飛び出してきた。

挿絵(By みてみん)

パーシングの動きが一瞬鈍ったと見てとった萌は、

片手に鉄観音の操縦者用カードキーを掲げて、

「鉄観音! 私を操縦室へっ!」

と言うと、鉄観音の手が萌の前に降りてくる。

萌がその手に乗ると、

操縦室へ通じる扉のある首の脇まで持ち上げた。


つづく

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