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「豪快! 両国夢想」第6話「神なるもの」その14
「でも、それじゃあ…」
とネバダは口ごもった。
「そう敵の特異点を突破することになりますわ。
つまり、エルサレムかバチカンに出ることになりますわね」
それは敵勢力の中枢に出ることを意味してる…。
音音さんは事も無げに言ったけど、
その言葉にさすがに一同が静まりかえった。
その静寂を破るように、タチアナ大佐が、
「――全員が抜けたところで、
以前のように静葉殿と二人で特異点を崩壊させる気?
聖地に大穴があくけど?」
と言うのに、
音音さんがキッと大佐の方を見る。
「どちらにしても街中の特異点。
それを崩壊させたら、
何の罪もない市民たちを
何千人もの死者や怪我人が出てもいいんだ?」
「し…仕方ないでしょ…
…それしか方法が…」
「果たして弾正伊がそれを良しとするかしら?」
そう言われて音音さんは口ごもったが、
再び大佐を見つめると、
「ジェネレータの修復も出来ず、
現世にも戻れないでは、
この幽冥世で、
座して死を待つようなものではないですかっ!!」
と声を荒げた。
じっと音音を見つめた大佐が、
声を顰めて、
「--もう一カ所あるの」
と言った。
つづく




