表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/73

「豪快! 両国夢想」第1話「相続人を探し出せ」その5

「お嬢さん、ちょっと肩を叩こうとしただけじゃないですか…」

うわ、あれだけいやらし~い気を放っておいてタダの肩叩きとはよく言う…。

SUMOU界でも女好きでならすダイブッダは、

あの釈迦を輩出したインド帝國人で、どう見ても大仏。

キミも一応坊主なんだから、

女犯の戒とかカタチだけでも守ろうね。

なんて思っている間も鬼化し続けていた老人が完全に鬼と化して、

ソバに立っていたダイブッダに襲いかかった。

「ここは我ら『愛法院』が仕切るっ!」

そう言いながら襲い掛かってくる鬼の手を両手で受け止めるダイブッダ。

挿絵(By みてみん)

さすがSUMOUレスラーだけあって、

常人の数十倍と言われる鬼の動きを押さえ込んだ。

そこに、いつの間にか現れた坊主たちが、その隙を突いて鬼の腹に無針注射をうった。

鬼は急激に大人しくなり、もとの人間の姿に戻っていく。

アンジェリワクチン!

ディアボロ(悪魔)と名付けられた鬼化ウィルスに

唯一効果があるのがアンジェリ(天使)ワクチン。

製造するのに相当コストがかかるらしく、結構な高値で取引されている。

こんな江戸川ゲットーにもあるんだ…。

感心する私など眼中に無いらしく、

坊主たちは担架に老人を乗せると、そそくさとその場を立ち去ろうとする。

大事な探し人が連れてかれちゃう!

と思ってちょっと焦った私に、

「あのじいさん、ウチの信者なの。

助けてくれてありがとう。お礼したいから、あんたもおいでなさい」

ダイブッダはそう言うと私の手をつかみ有無を言わさず歩き出す。

「あ、あの…」

と言いかけたものの、このまま敵のふところに入り込むのも手かも…

と思い直して口を濁す。

「何?」

と聞いてきたダイブッダに、

「いえ、さすがオスモウさん、大きな手だなって思って…」

と言うと、嬉しそうに笑ったダイブッダは、

私のふくらはぎ辺りを腕を絡めるようにして持ち上げると自分の肩の上に載せてしまった。

「SUMOUレスラーは力も強い。どうだ良い眺めだろう?」

確かに眺めはいい――どんだけでかいんだ…

いやしかし、往来の真ん中でこれはかなり恥ずかしいよ…。

このまま愛法院まで行くのかなぁ…。


その6につづく

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ