「豪快! 両国夢想」第5話「黄昏の国」その26
旧自衛隊の33式対空システムをベースにした
弾道ミサイル、
中短距離ミサイル迎撃網タケミカヅチ改、
対潜システム・ソコツワタツミ、
対艦システム・ワタツミ、
これらを統合した総合戦闘システム・オモイカネ。
一見、
美しい昔ながらの江ノ島だけど、
飛鳥システムズがカスタマイズした<オモイカネ>で統合された
対空機銃、ミサイルランチャー、
対艦対潜魚雷、対潜爆雷などが
偽装を施されて島内各所に配備されてる。
両サイドに機雷が敷設された
江ノ島へ続く橋を
隠神先生の運転するマイクロバスが渡って行く。
東のヨットハーバー側から、
岩屋洞窟に掘削したトンネルを通り、
地下施設へ入る。
マイクロバスがエレベータシャフトの前で止まり、
全員がマイクロバスから降り立った私たちは、
特異点発生装置のある溶岩洞窟の最深部へと向かう。
全員が乗り込んだエレベータが動き出すと、
高速エレベータ特有の耳鳴りが始まる。
「いたたっ…」
思わず悪態をついた途端、
エレベータ内の電灯が消え、
ガクンという衝動とともに動きが止まった。
音音さんが、
エレベータ内の非常電話から管制室へ問い合わせる中、
「停電?」
とネバダが暢気な質問をしてくる。
「バカ、破壊工作に決まってるでしょ?」
それに怒りながら答えると、
<非常電源に切り替えます>
というアナウンスが流れ、
エレベータは再下降を始めた。
つづく




