「豪快! 両国夢想」第5話「黄昏の国」その24
「なっ…何言って――」
驚く私を無視して、
「そう言うと思っていたので、
もうひとつ鉄甲を用意しておいたのです」
と言ってネバダの手に鉄甲を嵌めた。
「エンゲージリングの代わりに
するといいと思うのです♪」
「ちょっ…まっ…!!」
周りから『おお~っ』とか『きゃー▽』とか、
怒号だか悲鳴だか沸きあがる。
そんなこといきなり言われても、
相手はネバダだし…私の憧れの人は
カーネルアメリカさま――って、
そうだった……その正体はネバダだったんだっけ…。
秘密にされてたことには腹が立ったけど、
自分だってバトルTOKYOだってこと秘密にしてたから
痛みわけってことで納得したし…。
だいたいネバダがどう考えてるかもわからないのに…。
そんなことを考えながら
ネバダの方を見ると、
ネバダもこっちを見ていたらしく
思い切り目が合ってしまった。
「凪…オレはおまえが…」
「うっ………」
カーネルアメリカさまのような涼やかな瞳に見つめられて、
衆人環視の中、思わずロマンス空間に飲み込まれそうになるところを
ぐっと踏ん張って、
「ちゃんと返事して、
死亡フラグ立つとヤだから、
向こうから無事に帰ってきたら
考えてあげるっ!」
と言って鉄甲の付いた方の手でネバダをどついた。
つづく




