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「豪快! 両国夢想」第5話「黄昏の国」その15

そこに部屋の外から疾風のように入ってきたのは、

結繪さんと瑞葉ちゃんだった。

二人は光の中に飛び込むと、

結繪さんと瑞葉ちゃん自身も金色に輝きだす。

「メモリーのおかあさま、初めまして。

末の妹の瑞葉と申します。

私も入れば尻尾は十本。

妖狐九尾を超える十尾は天狐…、

もはや悪事はなせません」

そう言う瑞葉ちゃんに、

「!?  きさまも私のかけらか?

十尾の天弧とて必ず善とはかぎるまいにっ!」

と息巻いた。 

「それに人の子が何の真似だ。

我らの融合に巻き込まれて無事で済むと思うのか?」

「そのつもりだけど?」

結繪ちゃんがそう答えると、光は強くなり、

もはや直視できないほどになった。

手をこまねいている他の面々に、

「私たちにできることはないの?」

と声を荒げる私に、音音さんが説明してくれる。

「大丈夫…妲己のメモリーは在住くんの知っていること止まりのはずだから、

きっと上手くいきますわ…」

いったいどういうこと? 

見守ることしかできないなんて…。

そんなあせりを他所に、光の強さがさらに増していく。

「!? 何? 弾正尹だんじょうのかみ…何をいっている?

それに貴様、何故我に飲み込まれぬっ…!」

妲己の声には明らかに狼狽ろうばいの色があった。

「残念でした!

妲己の古いメモリーなあなたは、

アップデートされてないから知らないだろうけど、

10年前にあなたの本体と戦ったときに、

私もねえさまたちと合体してるんだ」

「何!?」

「そんなわけで、おかあさまの記憶は

私たちがずっと覚えていて差し上げますので、

ゆっくりとお休みくださいませ」

「黙れ静葉! 我とてよわい三千年を数える妖弧、

むざとやられると思うな…!」

光が弱まり、見えてきたのは一人分のシルエット。

光が収まると、

葛葉さまに良く似た女性がひとりだけたたずんでいた。

挿絵(By みてみん)

結繪ちゃんたちほかの人たちはどうしちゃったの?

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