「豪快! 両国夢想」第5話「黄昏の国」その6
なんでも結界が消滅したとかで、
飛空挺で西御門学園こと弾正府に向かった。
観音様が見えてたので大船に近づいてるのかなと思ったら、
そのそばに着陸態勢に入った。
え!? この観音様、
全身があるんですけど??
不思議そうな顔をしてる私に、
「なんでも検非違使が開発したロボットだそうだ」
と前の座席に座ってる音音ちゃんが教えてくれた。
校庭に降り立った私と在住を待っていたのは、
融資おじいさまだった。
おじいさまから細川の家が、
室町時代の管領細川政元の隠された実子の家系であること、
飯綱の法という魔法で、
狐のあやかしを操っていたことなどを教えてもらった。
政元が暗殺という形で不慮の死を遂げたため、
飯綱の法は失われたが、
飯綱の珠の保管方法と簡単な魔法だけは
政元に忠実な弟子が引き継いでいた。
それは細川家の男子に
飯綱の法の力の根源「飯綱の珠」をその体内に埋め込み、
それを飯綱の法の継承の証にするというものだった。
政元は死の間際、
星読みにより、珠と飯綱の法を奪おうとする一派の策動を知った。
調べてみると養子ふたりはその一派に取り込まれており、
己の死が避けられないと悟った政元は、
系図には載っていない身分の低い実の子に、
「これを修めれば、
狐のあやかしを自在に操ることができるようになるだろう」
と伝え、
珠と飯綱の法について書かれた文献を泥縄で託したのだという。
ところがその際、信頼していた家臣の寝返りで
数冊の文献が失われ、
政元は奮戦むなしく風呂場で惨殺されてしまった。
在住のご先祖さまは
使い方の分からない珠を隠れるようにして代々守ってきたけど、
融資おじいさまの代になって、
この珠は幽冥界という
この世とは隔絶した世界にある機械に、
繋いで使うのが本来の使い方だと
少しわかってきたところだったらしい。
本来妲己は、
その制御用の存在だったらしく、
その機械が故障した際に、
この現世に具現化して
悪事を働いていたらしいのだ。
つづく




