表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/123

「豪快! 両国夢想」第5話「黄昏の国」その5

武道棟を出るまでにも何度か地響きがあり、

その音がだんだんと大きくなってきている。

「う、な、なにっ!?」

出口の方から妲己=葛葉ねえさまの

何かに驚いているような声が聞こえてきた。

急いで校庭に出ると、

そこには葛葉ねえさまを巨大な手に握った観音さまが立っていた。

挿絵(By みてみん)

「これって大船の観音さま!?」

「でも足がある…」

大船駅のすぐそばの山の中にある巨大な観音像は

電車からも見えるので有名だけど、

シーザーの石膏せっこう胸像と同じで

山影から見えているあるのは頭周りだけで、

そのほか胴体や足は存在しない。

なのに今、この校庭にいるのは、

二つの足で立つ観音さまだった。

『音音さんから事情は聞きました~。

妲己かあさまは捕まえましたわー』

観音さまがしゃべってる…。

あれ、この声、静葉ねえさまの声だ。

「ええい、放せ! 放さぬか!」

そう叫んで暴れるだっきに、

『暴れても無駄無駄。この飛鳥重工謹製の

対妖仏型(たいあやかしぶつがた)決戦兵器【鉄観音】の掌には、

何重にもシールドが張り巡らしてある。

いくら妲己といえどもこの手から逃れることは叶わぬわ』

と今度は別の声が言い放った。

あ、この声、検非違使の別当飛鳥薫子--。

「今日の実験って、

このロボットのことだったんだ…」

「…いつの間にこんなの…」

妲己との戦いになるものと思っていただけに

三狼とふたりで脱力してると、

<検非違使もやるもんですわね。

とにかく、飯綱の球を回収して封印しないとですわ>

とインカムから音音の声が聞こえてきた。

<間もなくそちらにつきますから、

力場を形成しますから鶴部かくのべの諏訪みことと

鹿部ろくぶ鹿島迦久かしまかくを呼んでおいて>

「うん。布都御魂剣ふつのみたまのつるぎ

藤葛ふじかづらも用意させとく」


つづく

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ