「豪快! 両国夢想」第2話「美少女を救出せよ」その9
「おう、もう見つけたのか、早いじゃねえか」
さっきはメール送っちゃったけど、
あんな話聞かされたら、
素直にジョニーズに引き渡すなんてことできないよ…。
どうすればいい? 何が正解?
そんなことは分からない。
だったら自分の良心に恥ずかしくないことをするしかない…。
「…ごめん……だけど、私、逸音を渡せない…」
「ん? どういうこった? まあ、いいか。
こっちにも事情があってな、依頼主が居なくなっちまったんだよ」
「え?」
意外な答えに戸惑っている私に
ツブラヤは腕時計型のモニタを見せる。
そこにはwebニュースでジョニーズ事務所が炎上してる映像が映し出されている。
テロップにはジョニー南川死亡って…。
え…? これっていくらなんでも、タイミングよすぎるよね。
さっき隠神さんがどこかと連絡とってたのってまさか……。
「ま、そんなわけで、
こちらは仕事は完遂したが引き渡す相手がいないんで
どうしようもないというわけだ。すまんな」
ツブラヤのひとことで我に返る。
「あは、はは………そうなんだ。そうかー…まあよかったかな…」
なるべく平静を装うとしてるけど、
心底ほっとしてるのでぎこちなさは隠せない。
「ほれ」
そんな私の事情などどうでもいいとばかりに、
ツブラヤが袋を投げてよこす。
「!? お、重っ…」
「よかねえよ。ギャラだ。半分だけどな」
「え!? ギャラでるの?」
「ったりめえだろ?
こんな荒事になるときもあるんだから、
半金は入れて貰ってるんだよ」
ってことはこの袋の中は1000パラジウム硬貨っ!?
逸音をジョニーズに渡さなくていい上に、
たった1日で1000パラだったら悪くない。
「半金は確かに渡したぜ、じゃ、またな」
そう言うとツブラヤはカブでキレイなアクセルターンを決めると
錦糸町方面へ走り去った。
見送りながらネバダが呟く。
「ところで、あの子、どうすんだ?
さっき帰るとこないって言ってたぞ」
「それなら私にいい考えがあるの」
その10へつづく




