表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/120

「豪快! 両国夢想」第2話「美少女を救出せよ」その3

時間が惜しいので、言問い通りに出てタクシーを拾う。

乗ってしまってから後悔した。

運転手さんが結構な年齢に見えたので、

乗務員表を見ると、

アメ連に日本が占領された10年前の日付で”長谷川和夫80歳”って書いてある…。

当然のことながら、江戸川ゲットー内では、

年金もなければ定年もなく、

免許更新などもない。

「埋め立て地のドヤ街まで…」

「おうよ。おうっ!? ネバダ関じゃねえか。

オレっち、あんたのファンなんだよ。

これで窓ガラスにサイン入れてくれ。

こっちのかわいこチャンは関取のレコかい?」

と言ってマジックを渡しながら小指を上げる。

挿絵(By みてみん)

これだから20世紀生まれの人は…。

行き先を告げると

モノスゴいスピードで飛び出して行く。

自称江戸っ子クモスケだという運転手さんの年齢等考慮すると、

無事に着けるよう天に祈るしかない。

ネバダに写真を見せながら事情を話す。

「この子を探してるんだけど、

家出娘っていったらやっぱりドヤ街じゃない。

でもあそこ物騒だから

2時間ぐらいボディガードしなさいよ」

「なんだ、まだ探偵やってんのか?」

「まだって何よ」 

ムッとして語気鋭く言ったとたん、タクシーがスピンするようにして停車した。

「着いたぜ。んあ? その娘なら、

確かにオレッちがドヤ街まで乗せたぜ」

目ざとく写真を見た運転手さんが言った。

さすが私! 名推理が冴えてるっ!

もしかして、わりと早く見つかるんじゃない?


「この子、どこかで見たような…」

予感を裏付けるように、

聞き込みを始めてから1時間ほどしたころ、

何となく見覚えがあるというオッサンとでくわした。

「うーん、どこだっけなぁ…」

散々悩んだ挙句、

「あ、わかった! コスプレバー『天草』のトキサダに似てるんだ。

すっげえキレイな男の子でさ、印象に残ってたんだわ。」

とのたもうた。トキサダって、男?

探してるのは女の子だってば…。

「しかしまぁ、そっくりだ。オレも若いときは…」

まだブツブツ言ってるオッサンにお礼を言う。

取りあえず、『天草』に行ってみよっか…。


つづく

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ