料理を教える前の一悶着?
あれから、放課後なった。
「雄也ー、行くよー!」
村山は俺の腕を掴み、後ろに柴崎を連れて校門まで来た。
「で、雄也の家は何処?」
村山は急ブレーキをした事で柴崎が転けかけた。危ないな。でも転ばなくとも良かった。
「え、琴、知らないで言ってたの!?」
「だって、今日初めて話すし」
そうなのだ。いきなり家とは順番が違う気がするな。
「大丈夫なの、それ?」
「うん!」
「琴じゃなくて、雄也くんに聞いてるんだど」
柴崎までも下の名前か。まぁ別に良いがな。
「俺は全くもって大丈夫だ」
「でしょ?」
俺の答えに村山がドヤ顔で柴崎に返した。
「心広くて良かったね」
柴崎は何故かそう言っていた。普通だと思うがな。
俺達は歩いていた。
「でも、良いよねぇー」
「どうしたの琴?」
「学校まで歩いて10分なんて!」
「確かにね、これなら幾らでも寝れそうだね」
「私なんか、ギリギリまで寝ちゃうなぁー」
「雄也くんは?いつもどんな感じ?」
「村山と同じで、いつもギリギリだ」
俺達は会話を楽しんでいた。
そう、俺の家は歩いて10分程度の近い距離にあるのだ。だからいつもギリギリに行動している。
「でも、いつも早いよね!」
「ギリギリと言ってもちゃんとしてるからな」
柴崎に俺はそう返した。学校からの家までの時間も分かるので大体、この時間に出れば余裕などが分かるからな。
「流石は雄也だねぇ〜」
「いや、普通だろ」
「私は絶対に無理だもん!」
「まぁ、村山よりはちゃんとしてるからな」
俺がそう言うと村山は頬を膨らませた。
「これは、琴怒っちゃったね」
そう柴崎は笑っている。
「よし、行くぞ!」
俺は空気を変えようとした。
「雄也くん、それは駄目だよ?」
「そうだぞ、雄也!」
「すまなかったな」
一応謝っておいた。すると村山の顔は緩んだ。
「仕方ないなぁ」
そう、村山は言い返した。
「思ったんだけど、澪って行く必要ある?」
「何が?」
「雄也の家だよ」
「私だって教えてもらいたいよ!」
「元々上手いじゃん」
「でも、雄也くんには負けるなぁ〜」
「そう?」
「見た目では勝てる自信あるけど、美味しさで言うとボロ負けだよ!」
「いや、見た目も大事だし、村山の弁当も普通に美味しそうだったぞ?」
2人の会話に俺はそう入った。
「そうそう!」
「だが、料理出来ないって言ってる柴崎には言われたくないだろうなぁ」
俺はそう笑うと村山はありがとうと笑いながら返していた。
「2人とも、ひどぉい!」
拗ねてるな。笑
「よし、澪と雄也で料理バトルしたら私は許そう!」
急に村山がそう言い出した。
「何で、バトルなんだ?」
「だって2人のご飯食べたいじゃん!」
目当てはそれかよ!
「まぁ良いんじゃない?」
「そうだな」
柴崎の答えに俺は返した。
「あと、その前に雄也に1つ!」
「どうした?」
「私と澪の名前を下の名前で呼ぶ事!」
「確かに私も呼ばれて見たいかも!」
村山の言葉に柴崎も賛同していた。
「断る!」
女子の下の名前って何か、照れるよな。
「良いじゃん!減るもんじゃないし」
「そうだよ、雄也くんは雄也くんだし!」
まぁ、確かに言われればそうだな。ここで気づいた事を、言ってみようか。
「澪も案外抜けてるな」
「……//」
「大丈夫か?」
俺は心配するが澪は大丈夫だと言っていた。
「これは雄也、やるね」
「確かに……」
「何がやるんだ?琴」
「そっちで来るかぁ」
2人とも、どうしたんだ?
「まさか、琴音じゃなくて琴で呼ばれるとは……」
そう、琴が呟いている
「琴音の方が良かったか?」
「いや、琴で大歓迎!」
声でかいな。ここ1番声出てたな。
「澪、琴、ここが俺の家だ」
そんな、たわいのない話をしていると家に着いた。
まだ、料理はここからなのだ……