金石丸とみや
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≪天文5年(1536年)-陸奥国楢葉郡-≫
重信とお七の結婚相手について相談した結果お七はその知識によって安積家を支えているので無闇に外に嫁に出すわけにもいかず好きな男もいないという事でいったん棚上げし重信の言った青山みやを呼び寄せることに。
「俺は・・・みやを好きだったのか?・・・」
いまだに自身の気持ちを理解していない重信。
「もう少し恋というものを教えておいたほうが良かったかもしれませんね」
菊乃は幼少のころから金石丸を放任気味に好きにさせていたのでそれを少々後悔しだしている。
「じゃあさ?お兄ちゃん。みやさんが他の男の子と仲良くしてるのを想像したらどう?」
「う~ん・・・特に何も思わないが・・・」
「みやちゃんは既に金石丸私兵団で男の子と仲がいいですからね」
「そっか。つまりお兄ちゃんは男友達容認派ね」
「??」
お七の言葉に理解できない重信。頭の上には疑問が浮いている。
「じゃあさ!みやさんが自分じゃない男の子と手を繋いでたら?お兄ちゃんよりもそっちの男の子を優先したりさ!」
なおも諦めないお七は重信に再度問いかける。
「う~ん・・・それは・・・ちょっといやかもな・・・」
「だよね!だったらそれはみやさんを手放したくない程に好きってことだよ!」
興奮してそう結論付けるお七。しかしそれに反対したのは久助だった。
「そうか?単純に友達が1人離れたから悲しいってだけかもしれねえぞ?」
「それも・・・ある、のか?・・・もうわからん」
そう言って重信は素振りをし始めた。
「ちょっとお兄ちゃん!?」
「分からん事は悩んでも分からん。だから考えないこととする」
結局自分の気持ちをいくら考えても分からない重信は考えを放棄した。するとお七はそのきっかけを作った久助を怒りの表情で睨む。
「ちょっと!?もう少しでお兄ちゃんが自分の気持ちに気付きそうだったのに!?」
「自分の気持ち?それはお前の願望だろ?俺は可能性を述べただけだぜ?」
「可能性だったらみやさんを好きって可能性もあるでしょ!?」
「可能性はな。だが結局こういうもんは他人がとやかく言うんじゃなくて自分で気付くもんなんじゃねえのか?お前のは見ていて洗脳してるようにしか見えなかったぜ?」
「洗脳なんてするわけないでしょ!滅多なことを言わないで!」
喧嘩をするお七と久助。お七は主君である重信の妹であり本来ならこんな生意気な態度は取るべきじゃないのだがこれが私的な状態の二人だった。
「まったくこいつは・・・申し訳ありません奥様・・・毎度久助には敬語で話すように言ってるんですが・・・」
「ふふ・・・別にいいのではないかしら?久助も公的な場所ではまともだし・・・なによりお七が楽しそうだしね・・・」
「はあ・・・楽しそうですか?・・・」
なおもお七と久助の口喧嘩は続く。
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それから数日後。楢葉郡にみや達がやってきた。
「みやを呼んだだけなんだが・・・どうして二人もいる・・・」
みやと一緒に来たのは原久丸と松野鶴千代。
「あそこにいてもお前らがいないんじゃやることがねえんだよ」
「そうなんですよ。それに金石丸様が手に入れた領地に興味もありましたし」
という理由でみやについてきた二人。そしてその場にはこの二人だけでなく赤澤虎十郎広宗こと一朗太と月影勝次郎飛昌こと戸丸と妹の月影瑠衣。ここに金石丸私兵団が久しぶりに揃った。
「いやー!みんなと会うのも久しぶりだな!」
「一朗太!聞いたよ!前の戦で手柄を立てたんだよね!」
「へへ!それで俺は今では足軽小頭だからな!」
足軽小頭とは10人前後の少数の足軽を従える役職。一朗太は初陣で敵武将の首を取るという偉業を成し遂げたため出世した。
「くそっ!?俺も元服さえすれば戦に出れんのに!?」
「僕は戦よりも文官とかそっちの方が向いてるかも」
「確かに。鶴千代は商人の子だから頭もいいもんな」
「ちょっとみんな!今はそんなことよりもあっちでしょ!」
そうして瑠衣が指を差すのは楢葉の街を2人で歩いてる金石丸とみや。それは金石丸が自分の気持ちに気付くための所謂デートということ。これを提案したのはお七でこれには菊乃も賛成した。
「でも、お七ちゃんも残念だよね。勉強のために尾行が出来ないなんて」
現在金石丸私兵団+佐吉と久助は金石丸とみやの後を付いて様子を見ている。まあ、盛り上がってるのは一部だけで久丸や久助などは心底どうでもよさそうにしていた。
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金石丸はみやに街を案内していた。
「すごい・・・これが海なんですね・・・どこまでも広い・・・」
「お七曰くこの海の先には日の本よりも大きくてより発展してる国もあるらしい」
「そうなんですか?」
「お七はそんな奴らからこの国を守るためにも日の本は統一されるべきだって言ってた」
「そうなんですね・・・お七様は物知りですね・・・」
海を眺めた後はお七の知識チートで生み出された数々を見て回る2人。
「そういえば、今日はどうして私と二人で?みんなで回ったほうが楽しかったのでは?」
ここで当然の疑問を金石丸にするみや。それに金石丸は正直に現状を答える。
「俺は父上から当主を引き継いで安積家の当主となった」
「おめでとうございます金石丸様」
「ああ・・・でも、当主となったからには妻がいなくてはならないらしい・・・」
「・・・金石丸様の奥様・・・」
「みんなから好いている女子がいないかと問われたときに俺が真っ先に浮かんだのはみやだった」
「え?」
「でも、俺はみやの事が好きかはわからない・・・一緒にいて楽しいがこれがみやに惚れている証だと思うか?」
金石丸は直接みやに問いかけた。それに対して突然そんなことを言われて困惑中のみや。
「え?私が?え?」
その後の二人の間には沈黙が流れる。その時には金石丸私兵団の面々も尾行していなかった。最後まで瑠衣は抵抗したが兄の戸丸に引っ張られながらその場を離れていた。
「・・・・」
「・・・・」
沈黙状態の二人。そんな二人の沈黙を破ったのはみやだった。
「・・・私は・・・嬉しいですよ・・・金石丸様にそう言っていただけて・・・」
「そうなのか?」
「はい・・・幾度か考えたこともあります・・・私は百姓の子ですし正妻などはおこがましいことですが・・・金石丸様の愛する一人になれればどれほど幸せかと・・・」
「・・・みや・・・」
そう金石丸に自身の気持ちを喋るみやを見て金石丸は初めてみやに恋していることを自覚した。
「みや・・・俺のもとに来てくれるか?」
「はい・・・私で良ければ・・・」
こうして金石丸とみやは結ばれることとなった。
*金石丸とみやが結ばれましたが彼らは満10歳であり現代に置き換えれば9歳です。
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