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○大槻貞光/安積お七   

第2話少なめです。次回から長めとなってます。

【大槻貞光】


私の名は大槻貞光。安積郡を治める伊達家家臣安積家の家臣である。私は紀伊守様の命により金石丸様の傅役を任じられた。とはいえ通常の傅役とは違い金石丸様に危険があったときに助けるのが役目。私の得意とするところの剣術や槍術を教えたりはしない。 


なぜこうなったかは紀伊守様の直感が働いたからというのが分かりやすい。紀伊守様は人よりも直感が優れその直感にて幾度も戦場にて助けていただいた経験を持つ。故に紀伊守様が金石丸様の自由にさせろと言うのであればそれが金石丸様にとってもよい事なのだろうと結論付けた。


そしてそれは目の前で行われている光景を見れば納得させられるというもの。いまだ齢四歳という幼い金石丸様ではあるが山を駆け上がったかと思いきやすぐに下山をし。それを何往復と繰り返す。終わりを迎えるのは金石丸様が倒れられたときのみ。


「・・・噂には聞いていたが・・・なんて野性的な・・・確かにこれは異常である・・・」


山を倒れるまで全力にて登り下りを繰り返す子供がどこにいる?そんなのは大人であろうともしないだろう。こんなのが本当に有効な鍛錬なのであろうか?


面倒なのが見守りという事が役目のため私も金石丸様と共に山を登って下りてを繰り返さなければいけないという事。山の下にいては途中から見えなくなってしまう故に。


「ハア・・・ハア・・・ハア・・・」

「ゼエ・・・ゼエ・・・ゼエ・・・」


普段から鍛錬をしている私でも息が上がるこの鍛錬を金石丸は今にも倒れそうな疲労具合で尚も繰り返す。


「ハア・・・金石丸様・・・ハア・・・休憩などは・・・ハア・・・しないのですか・・・ハア・・・」


私はこの地獄のような時間は一体いつ終わるのだろうと考えつい金石丸様にそう質問をした。すると、金石丸様は私を一瞥して一言。


「ゼエ・・・ゼエ・・・辛かったら・・・ゼエ・・・休んでいろ・・・ゼエ・・・ゼエ・・・」


その一言を残して下りてきたばかりというのに再び駆け上がる金石丸様。さすがに四歳児に負けるわけにはいかず私は気合いを入れついて行く。


「なんの!まだまだです!」


しかし金石丸様の鍛錬はこれだけではなく延々にも思えた山の登り下りも終わった後には手頃の石を持って再び登り下り。この際だからと最後まで付き合う気持ちで私も限界の石を持って登り下り。


それが終われば今度は手頃な木を拾っての素振り。その間は何度も倒れその度に私が助けに入ろうとするのを拒み衣服は汚れボロボロに。


「・・・このお方は・・・本当に人の子なのか・・・」


一日中このような野生じみた鍛錬を繰り返す金石丸様。しかしそれの成果なのか金石丸様が振り下ろす剣筋はまだまだ粗削りではあるがすでに素人の域を超え熟練の域に迫ろうとしている。

この時点でこの鍛錬を始めてから数か月。たったの数ケ月でこの仕上がり。突き詰めればどれほどの使い手になるのか。


「・・・貞光・・・」


私がぼうっと金石丸様を見ていると金石丸様から初めて話しかけられた。


「どうかなさいましたか?金石丸様?」

「・・・最後に仕合ってくれるか?・・・」

「もちろんでございます。それが私の傅役としての本来の役目でもありますので」


こうして私は金石丸様の鍛錬の一日の最後に木刀を持って仕合こととなった。

/////

【安積お七】


私の()()の名前は伊東七海。大学2年時の夏休みに東北のお城めぐりをしていた。私はいくつもの小説や漫画はもちろん歴史書も持っているほどの自他共に認める歴史オタク。


特に好きなのが戦国時代。あの戦略が入り乱れた群雄割拠の様相がたまらなく好き()()()


それは福島県のお城を巡っていた時に起こった。


「う〜ん・・・最後に鶴ヶ城を見て宮城県に行こうかな〜・・・」


次の行き先を悩み歩きながら考えていると私の目の前を猫が通り過ぎる。


そのまま猫は車が行き交う車道に入ってしまった。そして猫に気が付かないままに迫り来る車。


「あぶない!?」


私は轢かれそうになっている猫を見て咄嗟に身体が動いていた。


ドン!


猫を庇って車に轢かれた私はそのまま吹き飛んだ。


「(ああ・・・私・・・死ぬんだ・・・どうせなら・・・戦国時代に・・・生まれ変わりたい・・・なあ・・・)」


それが私の前世伊東七海の死因でありその願いが叶ったのか私は戦国時代に転生していた。


「(でも、転生した先がまさか安積伊東家だとは・・・こういうのって織田とか武田とか有力武将の家に転生するものなんじゃないの?)」


そう贅沢なことを思ってしまう私。本来なら死んで終わりの所を何故か第二の人生をしかも大好きな戦国時代で過ごせるだけでも神様に感謝をしないといけないんだろう。


「(それにしたって・・・あまり情報もないような安積伊東家に転生はハードモードすぎるよ神様・・・こんな家で天下統一出来るかな?)」


当然の事ながら私は転生してこの世界が戦国時代と判明した時から目標は天下統一。


「(やっぱり目指すでしょ!歴史オタクとしては!この兄と一緒にね)」


赤ん坊の私の目の前には毎朝私に話しかけてくる兄が。私はこの兄と共に天下を目指すと心に決めた。  

・【安積お七】:前世では東北のお城巡りをするぐらいの歴女。転生したからには目指せ天下統一!


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