下書き機能テスト
「饅頭怖い」
この言葉をリアルで体感した者はそう多くないだろう。
西暦2,2360,679年頃、世界はパン派閥と茶派閥と宿直派閥に分断されていた。
数年前までは無数の派閥が存在し、互いに牽制しあうことで均衡を保っていたが、そこに彗星のごとく英雄が現れた。
名はマイケル・アングロサクソン。
白人(黒人)だ。
彼は当時の最大派閥である農協牛乳派閥を倒すと、表参道赤信号やイカ寿司朝寝坊といった強力なメンバーを取り揃え、瞬く間に世界を手中に収めていった。
これにより、派閥争いにより疲弊した世界は何万年振りかの平和を取り戻したのだ。
だが、その平和も長くは続かなかった。
世界統一における戦線でとりわけ活躍したパン茶宿直が内部分裂を起こしたのだ。
世界は3つに引き裂かれ、再び暗黒の時代がやって来た。
初めは3者の間では均衡が保たれていたが、徐々に茶派閥は勢力を失っていった。
タピオカブームが去ったからだ。
各地で茶派閥の敗北が続き、消滅の可能性も現実味を帯びつつあったが、予期せぬ援軍が現れた。
饅頭派閥だ。
饅頭派閥は糖質制限ブームの到来により、宿直派閥からは敬遠され冷遇されていた。
宿直派閥がモミジ饅頭さえも敬遠し始めたことをきっかけに、饅頭派閥は宿直派閥を見限り、かねてより落語で縁のあった茶派閥へと鞍替えしたのだ。
饅頭派閥の活躍はめざましいものだった。
中でも、宇宙で倍々に増え続ける栗饅頭、やたら包装のフィルムに皮が付着する温泉饅頭の2枚看板は対峙する相手を震え上がらせた。
人々は快進撃を続ける彼らを恐れ、自然とこの言葉を口にするようになった。
「饅頭怖い」と。