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春雷

作者: 薄雪草



扉を開けて外に出ると

生暖かい風が吹いて

道の先を吹き抜けていく


風の色さえ見えそうな

雷の予報があった

三月のある日のこと



川沿いの桜が咲いていた


遠くで高校のチャイムが鳴って

制服の学生さんたちが出てきた

どうやら卒業式だったらしい



記憶のなかで、卒業式だけがあいまいだった


思っていたよりも感動が薄くて

思っていたよりも

普通に帰ってきてしまったからかもしれない


なんか、またねって

そんな感じに言い合ったかもしれない

物足りないような気がした

4月からのことの方が大事だったのかもしれない

いろんなことが、うまくいかなくて

あぁ、ただ……


いつも電車で見ているだけだった景色を

歩いてみたんだった


いつもの電車を風景として見る

それが、なんだかとても新鮮な気がした


そのときも桜が満開で

きれいだなって思ったり

道は思っていたよりも遠くて

電車の時速と自分の時速の違いを

実体験したり

自販機のペットボトル片手に歩いていれば

いい感じのところを見つけて

好きなだけ眺めていられたから


帰宅する頃には、なんか満足していた



後になって思うのは

何がいいことになるのかは分からない

ということ


過ぎてしまうまでは分からないから

できることを、できるだけ


それしかできないし、それでいい

と思う



なんてね










お読みいただきありがとうございます。

作者は学生さんでなくなってから幾星霜ですが、未だに恥ずかしげもなくこんな娘さんぽい詩を書いてます。はい。

…反省とかもしませんよ(笑)

卒業されるみなさまに、お読みいただいたみなさまに、何か得るものがありましたら幸いです。

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