これは想定内です
私の叙爵とクロード様の婿入りの話がしっかり広まって、実家への嫌がらせも終息した。
お父様、お母様、お兄様、お疲れ様です。
まあ、返り討ちにしてるけど。
領地の特産品の不買なんて、別口に売ればいいだけ。
今後、手に入りにくくなって困るのはアチラ。
懇意にしてる商会への圧力も、数ヶ月堪えてねって援助しとけばいいだけ。
後から私の叙爵を知って、慌てるのは向こう。
縁談潰せば、所詮中立派の伯爵家の令嬢!と侮って、蓋を開けたら小娘が伯爵で、第一王子派閥筆頭公爵家が寄親、公爵家の子息が婿入り。ザマァ!
酷いのは、領地の街道に破落戸をけしかけた馬鹿。
警備隊には私が作成した魔道具を渡してあるし、街道は覆面警備隊の見回り強化してたから、速攻捕らえられた。
イラッとしたから、破落戸に自白剤飲ませて証拠握って、国に報告。
当主交代、娘は慰謝料の為にどこかの後妻に売られたもよう。あばよ!
嫌がらせの贈り物は、全て焼却処分。
攻撃魔法が込められた手紙、毒が染み込ませてあるぬいぐるみ、付けるとかぶれるアクセサリー、見た目が呪われそうな人形、痺れ針が隠された手袋、こんな物いったいどこで見つけてくるのか。
見た目が呪われそうな人形しか、実害ない物がない。ヒドイ。
次にハルトン伯爵領に嫌がらせしようにも、今は引継ぎの為に国の代官が領地に滞在中。
バレたら速攻で国に報告されるから、しばらくは平和!
使用人は、公爵閣下が用意してくれた方々が面談し、再雇用は伯爵家では珍しく、魔法契約書を使用。
魔法契約書は、主を裏切ると顔に罪人の痣が浮かぶので大変便利!お高いけど。
普通の貴族家は、側近とか補佐、役職付に限定して使用してる。
王宮関係は、下っ端以外ほとんどが使用する。
王様が貴族にも使えばいい?使ってるよ。
でも、抜け道があるんだわ。当主本人がやらなければ引っかからないとかね。当主が実働するわけないから、無意味な契約が多いのよ。
ぶっちゃけ、私は魔法契約書は自作出来るので、そんなにお金はかかってない。
技術料が高いので。私、優秀で良かった!
フハハハ!どんどん使いたまえ!
気合いれて、1000枚用意したからね。
領地の騎士団や警備隊にも、魔法契約書を使用する予定です。
前伯爵の悪事の残党がいたら嫌だもの!
それに、新規雇用は間者が紛れ込み易い。
タウンハウスの分の使用人も、一時的に領地で教育して貰い、こちらも魔法契約書を使用する。
うむ、完璧な布陣だろう。
嫌がらせがないこの期間で、お金をガッツリ使って領地の整備も進めてもらう。
とっととお隣の公爵領と親密にして、敵が気付いた時には、時すでに遅し。
お金?稼げばいいのです!
王宮魔術師団の給料に、褒賞金、魔道具の特許料、作成した魔道具や魔法薬の売上、倒した魔物素材の売上、全て合わせるとなかなかの金額になる。
領地の税収は、領地に還元すればいい。
ストップ赤字経営!
「雇用する時使って下さい」
魔法契約書の束、ドンッ!
「公爵領への街道整備して下さい」
金貨の詰まった袋、ドンッ!
「騎士団と警備隊で使って下さい」
魔道具と魔法薬の詰まった木箱、ドンッ!
「国内と国外で取引できる商会のリストです」
人脈、ドンッ!
『義理の娘になる新参の伯爵の元でフォローしてくれないか。我が家からの援助は惜しまん』
元公爵の部下「公爵さま、新参の伯爵のフォローとは…?」