面倒くさい事案
はあ、落ち着けアンジェリーナ。
一つ一つ問題を片付けよう。
「大変お手数ですが、過激派令嬢のリストをすぐに頂けますか?我が家に嫌がらせされてる方と照合します。
あと、ストーカーからの最新のお手紙借りれますか?誰なのか突き止めますので」
ちょっと、思ってたより低い声が出た気がするけど気にしない。目が据わってる?知るか!
第一王子の顔が引き攣ってるとか、仲間たちがアワアワしてるとか、ヤツが何故か目をキラキラさせてるとか気にしない!
「こちらが令嬢のリストとストーカーの手紙です!」
「ありがとうございます」
って、過激派令嬢多いなっ!
なんで他派閥の令嬢がいるんだ、意味わからん。
結婚出来るって思ってるの?
ああ、そんなこともわからないお花畑令嬢ってことか…
さて、手紙の封蝋に残ってる微弱な魔力痕でストーカー見つかるといいんだけど。
《索敵》と《追跡》の魔法を展開。
ん?王宮内にいる?
え?王族の居住区?
私は、天を仰がずにはいられない…!
これ、私が伝えなきゃいけないのか。
「ストーカーは第二王女殿下です」
「「「え?」」」
「…ストーカーは第二王女殿下です」
「それは…知りたくなかったな」
「でしょうね!私も言いたくなかったですわ」
「クロード、第二王女と接点あったか?」
「いえ、たまに王宮ですれ違う程度かと…」
「だよな。お前、どこで見初められたんだ?」
第二王女は、第二王子と同じ側妃が母親だ。
王妃が産んだ第一王子と交流なんてほぼ無い。
第一王子派閥筆頭公爵家の子息なんて、全く接点ないだろう。
「殿下、コレの内容は読む限り、ファンレターかと。書かせた報告書を元に、妄想が混じってると感じます」
「ああ、確かに。高いテンションでクロードを褒め称えてる内容が先行して、冷静に見た事なかったな」
うん、若い女の子が一方的に話してるような酷い手紙だ。
コレを本人に送りつけるって、匿名だとしても勇気あるな。
「殿下、コレは国王陛下に報告してください。第二王子派が第一王子を監視してる証拠になります」
第一王子と仲間たちが目を丸くしてこちらを見て、頷いた。
「確かに!これで人物調査が入れられる」
「人事異動も出来そうだ」
「ストーカーに気を取られ過ぎた。不法侵入も問えるぞ」
「過激派令嬢の亜種としか思ってなかった」
「ストーカーから解放されるのか」
一人ぐらい、もっと危機管理できる人いれないのかな。
この面子だと頼りないと思うのは私だけ?