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これは想定外です  作者: らんらんらん
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襲撃

 


 護身用魔道具が出来上がったので、第一王子殿下の執務室に来てます。


 なんか美女がいます。


「初めまして、ハルトン伯爵。色々お噂は聞いておりますわ。シルフィア・ユルゲンよ。宜しくね」


 ああ!第一王子殿下の婚約者!


「アンジェリーナ・ハルトンと申します。アンジェリーナとお呼び下さい」


「丁度、シルフィアがアンジェリーナ嬢と会いたがってたから、護身用魔道具の件で呼んだんだ。

 魔術師団で働いてると、夜会は出れてもお茶会はなかなか出れないだろう?シルフィアのお茶会に一度出ておいで。私の派閥の同年代はシルフィアが纏めてるから」


「アルフォンス殿下、私からお誘いしたかったのにヒドイわ」


 そっと殿下を覗き込んで、上目遣いで抗議する。

 おおぅ。色っぽいお姉様だ。

 きっとやり手なんだろうな。


「アンジェリーナ様、お茶会に出席いただける?夜会では同年代とはまだあまり交流がないでしょう?お忙しいだろうから、派閥の子たちを抑えてたのだけど、そろそろ限界なのよ」


 頬に手を当てて溜息吐くだけで色気すごーい!


「ご配慮頂きありがとうございます。領地も少し落ち着きましたので、シルフィア様のお茶会の出席は問題ございません」


「ありがとう。こちらが招待状ですわ」


 よし、後で公爵夫人に相談しよっと。

 まだまだ第一王子殿下の派閥情報足りないからね。




「では、こちらの二つの魔道具を献上致します。デザインはペアの装飾品に見えるようにしてあります。

 魔法防御、物理防御、状態異常無効の効果を付与しました。

 魔力は装着者の魔力を常時微量吸収し、使用時に消費します。魔宝石の保有魔力が切れると、装着者から魔力を使用します。

 まあ、即死レベルの毒を複数回連続で飲むか、3時間攻撃を連続で受け続けなければ魔宝石の保有魔力が切れることはありません」


「素晴らしい。このデザインならブレスレットでも良かったな」


「アンクレット型は襲撃者に見えないので、油断させられるのですよ」


「なるほど。だから、アンクレットなのか」


「はい。外せるのは私だけにしてますので、外す時は呼んでください」


 ちなみに、クロード様の魔道具も私とお揃いのアンクレット型だ。

 こちらは、使用されると位置情報が私に届く。






 数日後、クロード様の魔道具から位置情報が届いた。2回目の反応で、襲撃と判断。


「副師団長、第一王子殿下が襲撃を受けてる可能性があるので向かいます」


「え?なんでわかるの?」


「以前、護身用魔道具を依頼された時に襲撃の可能性を伺い対策しました。いってきます!」



 位置情報を元に、空中に転移し、浮遊魔法を展開。

 眼下では、視察帰りと思われる第一王子殿下の馬車が50人規模の盗賊風の男達に襲撃されていた。


 第一王子殿下は、馬車に結界張って避難済みかな。

 アリスター卿とクロード様が馬車の扉前で応戦中だし。“拘束ロープ”を投げて、馬車付近の襲撃犯を捕縛する。


「アンジー!」


 私に気づいたクロード様に手を振って、索敵魔法で周辺を調べて、隠れて遠距離攻撃中の襲撃犯を4名捕縛。

 馬車まで戻ると、魔道具で攻撃を受けないクロード様が囮になって戦っていた。

 私が参戦してもいいけど、騎士のメンツもあるし後は任せよう。私は、毒を受けて倒れてた騎士を集めて、解毒と回復をかける。

 奇襲で毒を使われたから苦戦していたようだ。

 回復した騎士が参戦して、襲撃犯は捕らえられた。



 騎士が馬車に安全確保の合図を送り、第一王子殿下とユルゲン卿とパースマル卿が出てきた。


「ハルトン伯爵、なぜいる?」


 辺りを見渡して私を発見したユルゲン卿が困惑した顔で聞いてきた。まあ、そうですよね。


「ユルゲン卿が、第一王子殿下とクロード様への襲撃を予想していたので、クロード様の魔道具には襲撃されたら私に知らせがくるようにしていました」


「マジで?」


 お言葉が乱れてます、ユルゲン卿。やっぱり見せかけ冷徹眼鏡だったな。とりあえず頷いとこう。マジです。


「アンジー!」


 ブレない男が抱き着いてきた。


「クロード様、お疲れ様です。魔道具に不備はありませんでしたか?」


「ないよー!最初はドキドキしたけど、全く問題なかったよ!魔道具大活躍だよ!」


「いやーホント凄かった。クロードが囮になってくれるから毒受けないで済んだわ。ハルトン伯爵がきてくれなかったら人数的にヤバかったけどな!」


 ニカッと笑ったアリスター卿は流石の筋肉でした。剣術も騎士並みだったし、側近兼護衛枠なのだろう。


「ええ、クロード様には私が到着するまで頑張るように指示してましたので」


「だから、クロードは外に出たのか」


「さて、私は戻って襲撃犯の護送を依頼して来ます。数人の騎士を残して帰還してください」


「わかった。アンジェリーナ嬢、感謝する」

「アンジェリーナ嬢、頼もしい〜」

「ハルトン伯爵が味方で良かったです」

「俺もハルトン伯爵の魔道具欲しいな〜」

「アンジー、後でね!」


護衛枠のアリスター卿の魔道具は検討しますかね。







アンジー「只今戻りました。襲撃犯の護送手配してきます」

副師団長「襲撃大丈夫だったー?」

アンジー「ちょっと人数多かったです」

副師団長「えー何人いたのー?」

アンジー「53人でした」

副師団長「は?」

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