表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
これは想定外です  作者: らんらんらん
14/81

閑話 デートプラン1

 


 話してみると、クロード様はデートの経験がなかった。ちなみに、私もない。


 異性とお茶会しか経験がない二人。


 これは、由々しき事態である。


 カフェでお茶をして、買い物をする。

 毎回は、飽きるよね。


 さて、困った。そして、考えた。




「本日は、空を飛びましょう」


「ん?…えっ?」


「行きますよー」



 問答無用で、手を繋いで転移した。

 大樹海の空に。



「ひゃっ!わ!え!」


「あ、晴れてて良かったですね。大樹海が一望できて綺麗でしょう」


「アンジー!高い!怖い!」


「ふむ、高所恐怖症でしたか」


「ふわああ!足下がないってこんな不安なの?!」


「なるほど、絨毯でもしきましょう」



 手持ちの絨毯を足下に浮かせる。

 あ、これ、本人を浮かせるより楽かも。



「…納得行かないけど、これならあんまり怖くないかも」


「私は自分で飛ぶ方が気持ちいいですが、次回からクロード様がいる時はこちらにしましょう」



 それから、絨毯の上でお茶しながら大樹海を一周した。次はお弁当持ってこよう。いや、屋台の持ち帰りの方がいいかな?

 たまに大きな鳥型の魔物が襲ってきたが、私が出向いて討伐したので問題ない。



「アンジーは強いねえ」


「そりゃドラゴンスレイヤーですからね」


「そうだった」



 少しお腹もいっぱいになって、絨毯に寝転がるクロード様。



「空が広い。気持ちいいね〜」


「そうですね。あっあの雲、妖精みたい」


「あっちは猫っぽいよ!」


「確かに猫耳ありますね!」



 二人は顔を見合わせてクスクス笑った。



「アンジーとのデートは護衛をつけないで出掛けられる。ありがとう」


「確かに、護衛のいらない婚約者は少なそうですね」


「こんなデートじゃ護衛はついてこれないけどね!」


「ふふっ、これから色んな所に行きましょう」


「うん。視察でどこかに行くことはあったけど、決められたルートだったし、護衛もいっぱいいた。普段から護衛がいるのが当たり前で、こんな自由なお出かけがあるなんて想像できなかったなあ〜」



 クロードは空を見上げながら、しみじみと呟いた。


 大丈夫だ、クロード。大樹海を絨毯で飛んで散歩するなんて、誰も想像できない。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ